活動報告

2019年HuMA熊本地震被災者医療支援評価 及び被災地の災害対応能力向上に向けた取り組み

2019年HuMA熊本地震被災者医療支援評価 及び被災地の災害対応能力向上に向けた取り組み

活動日:2019年7月13日-7月14日
活動場所:阿蘇市

目的
2016年4月に発生した熊本地震において、HuMAは阿蘇市で被災者医療支援を行った。亜急性期のミッション終了後は同市にてHuMA熊本地震被災者医療支援に対する評価を行った。

このたび発災から3年が経過したが、HuMA熊本地震被災者医療支援に対し、現地再訪を含めて評価と振り返りを行いHuMAの支援者と被災者に対して説明責任を果たす。そして、今後の課題の抽出やHuMAの活動の改善点を検討する。同時に、阿蘇市の保健センターの災害対応能力の向上に資する。

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①評価方法
HuMAが目標とした「医療支援チームのコーディネーション」「避難所に対する巡回診療」「避難所の運営・集約」「全戸訪問」「地元保健師の負担軽減」「被災した妊婦のリスク評価」の項目について、災害人道支援の評価を専門とするイギリスのNGOのALNAP(Active Learning Network for Accountability and Performance in Humanitarian Action)が作成した「災害人道支援評価項目」を参考にし、妥当性/適切性(Relevance/Appropriateness)、連結性(Connectedness)、一貫性(Coherence)、被覆率(Coverage)、効率性(Efficiency)、有効性(Effectiveness)、インパクト(Impact)、持続性(Sustainability)という観点で評価を行った。

②訪問先
・阿蘇医療センター(阿蘇市の拠点病院) 病院長 甲斐豊医師、熊本県健康福祉部 大川加須美氏
・阿蘇プラザホテル(みなし仮設住宅) 総支配人 野口敏弘氏
・阿蘇市保健センター(HuMA熊本地震被災者医療支援のカウンターパート) 阿蘇市ほけん課課長・課長補佐・保健師、阿蘇市保健センター保健師、天草保健所保健所長 計11名、および妊婦ご夫婦1組
・阿蘇ホテル二番館 相談役 和田眞幸氏
・他に、古木元ほけん課長、宮本保健師、蔵原保健師、山内保健師の計4名と意見交換、また、古城地区にて住民の方々に聞き取りを行った。

③メンバー
夏川知輝医師(HuMA熊本医療支援担当理事)、武田多一医師(HuMA熊本医療支援先遣隊)、宮越幸代看護師(HuMA熊本医療支援1次隊)、小山優美看護師の計4名

④各成果に対する前回の評価と今回の着眼点
多くの良かった点といくつかの改善を要する点について挙げていただいた。印象的であったものをここに紹介する。
医療チームのコーディネーション
避難所に対する巡回診療
避難所の運営・集約
全戸訪問
保健師の負担軽減
被災した妊婦のリスク評価
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阿蘇医療センター、保健センター、避難者の方の受け入れを行ったホテルなどを訪問し、当時の状況やその後の影響などインタビューを行いました。 保健センターでは当時の保健所長やたくさんの職員の方が集まってくださり、振り返り会を行い貴重なご意見をたくさんいただきました。 HuMAとALSO-Japanチームが協働して支援した当時妊娠中だった方にもお話しを聞くことができました。皆様、貴重なお時間を誠にありがとうございました。 この調査の結果をまた共有し、今後の防災計画などにも役立てていただく予定です。

HuMAは災害直後の急性期の支援だけでなく、時間が経過してからの影響も考慮した活動ができればと思い、こういった振り返り調査も大切にしています。今回の調査はすべて参加者の自己負担で活動しました。 皆様の御支援をこれからもどうぞ宜しくお願い致します。