活動報告

医療団体ならではの提言をおこなっていきます。

活動日:2019年11月26日
主な活動場所:長野県長野市
 

 

【本日の活動概要】
災害ボランティア救護支援、衛生指導、環境整備、資機材の片づけ、訪問健康調査、活動引継ぎの検討と調整をおこなった

朝の会議では、各保健師より、避難所での避難者の健康状態、転出状況が報告されました。避難所集約を検討しつつ移転を進めているところです。  HuMAからは11月29日の撤退に伴い、①長野市北部災害ボランティアセンターのボランティア救護 ②および穂保・津野地区の個別の医療・福祉ニーズの対応、についての引き継ぎ先を相談しました。

①については、会議に出席していた清泉女学院大学の教員チームまたは、教員の友人で構成される地元看護師有志のチームで対応を検討していると説明がありました。一旦、清泉女学院大学で検討した後、どちらで引継ぎが可能かHuMAに連絡を頂くこととなりました。

②については、地域の保健・医療ニーズは社会福祉協議会(社協)から保健師に繋ぐ方針ができているため、今後も社協⇒保健所保健師の流れを経て報告をしてほしいとの申し出がありました。

【津野サテライト】
本日はボランティア120名ほどの参加でした。手洗いブース、うがいの準備については(公社)青年海外協力協会(JOCA)および社協の方々でセッティングされ、問題は見受けられませんでした。HuMAの医師と看護師は、昼のボランティアの帰還時に手洗いとうがいの呼びかけ、手洗い水の補充、うがい水の配布の支援等を実施しました。

救護所対応としては2件ありました。21歳のボランティアは作業中に細い鋭利な針のようなものを誤って指に数ミリ刺してしまったということでした。すでに十分洗浄され止血されており、消毒と絆創膏を貼りました。ただ、受傷したのが屋外であったので、感染の懸念から医療機関の受診を勧めました。もう一名は22歳のボランティアで、屋外活動中に壁の突起物で指の背側に長さ1センチ、深さ1ミリほどのすり傷を負っていました。こちらもすでに洗浄済みであり創内の遺物や汚染は確認できず、消毒と絆創膏貼付処置をし、やはり感染の懸念から医療機関の受診を勧めました。救護対応の後は、HuMAの物品および支援物資の整理整頓を行いました。

【りんごサテライト】
ボランティア200名ほど参加されました。ボランティアの送り出し、防塵マスクの装着については、社協の対応で問題ありません。手洗いブース、うがいの準備についてはJOCAおよび社協の方々でセッティングされ、やはり問題は見受けられません。 ボランティア送り出し後は、HuMAが管轄していた物品の整理・整頓をしました。

隣接する農業ボランティアプロジェクト(農ボラ)の本部を訪れ、挨拶。作業開始前のボランティアへのブリーフィングに立ち合わせていただき、傷病や体調不良時の対応について、農業ボランティア本部への連絡の周知を呼び掛けられていることを確認しました。また、農ボラ本部周辺の手洗い場や仮設トイレ、水やマスク、ゴーグルなどの配布状況を確認し、概ね問題なしと判断しました。ただ、トイレの隣に手洗い場を設置することが衛生上重要であることを農ボラ本部のスタッフに説明しましたが、今後設置への取り組みを進められたらと思います。また、同本部スタッフからボランティアに配布し使用後回収するゴーグルの数が不足傾向であるとの訴えがあったため、社協担当者と相談し、同サテライトにあったゴーグルのうちの一部(13個)を農ボラ本部にお渡ししました。

本日の救護所対応は2件で、その場に居合わせた非医療者のスタッフが対応したとの事後報告を夕方に受けました。1件は、午前・午後の2回にわたってすり傷で来られ、スタッフが単独で消毒・絆創膏処置をしてくれました。出血を伴わない浅い傷であったとのことなので、受診の必要性は無いと判断しました。2件目は、ボランティア終了時に手に釘を刺された方が絆創膏をとりに来られ、こちらもスタッフが消毒・絆創膏処置を行った後帰宅されたとの報告を受けました。2件目のボランティアについては医療機関受診が適当とHuMA看護師が判断し、社協より当該のボランティアさんに電話で連絡をして頂きました。電話でその方に対し、直接HuMA医師が、破傷風の危険性と帰宅後に救急外来受診が適当である旨を説明しました。ご納得いただき、帰宅後に対応していただくこととなりました。

外傷の場合の対応方法などは、フローチャートを作成しサテライトに用意していたのですが、今回ボランティアの怪我の処置を担当された方はそのフローチャートの存在を知らなかったようです。傷が小さいため、たまたまその場にいなかったHuMAにわざわざ連絡するまででもないと判断し、独自に傷を処置してくれたようです。一日の終わりにHuMAに本日の傷病者の報告をして頂いたことで、結果、適切な対応が可能となりましたが、あらためてサテライト担当者に対し、外傷フローチャートの周知とHuMA看護師携帯電話に気軽に連絡いただきたいとお願いし、ご了承いただきました。

社協から、健康上気になる夫婦の家庭訪問を依頼され、14時過ぎにHuMA医師と看護師で訪問しました。ご夫婦は被災したご自宅でボランティアとともに泥掻きなどの作業中でした。訪問の目的を説明後、健康相談のためのヒアリングを行うことをご了承を頂きました。既往歴や受診状況など現状を確認し、心配なところはHuMA医師がその場で診察しました。服薬などに関しては今後も円滑に行えそうですが、中々受診の時間を作れないというのが問題のようです。ご家族とも相談し、受診を優先することも大切との説明をし、お考えいただけることになりました。。

【赤沼サテライト】
昼過ぎに赤沼地区の社協担当者より、頭部外傷を負ったボランティアの対応について相談が入りました。作業中にスコップが頭部に当たり3センチ程度の傷を負って出血したとのことでした。救護所の担当者と連絡が取れず、よってHuMAに電話をされたようです。すぐに赤沼サテライトに行ける状況ではなかったため、HuMA医師より詳細な状況と傷病者の様子を社協担当者から聴取したうえで、止血方法の説明を行い、病院受診をするように伝えました。夕方、HuMA医師が赤沼サテライトを訪問し、その後の経緯を社協担当者に確認しました。止血処置をしている間に担当の看護師ともコンタクトがとれ、病院受診をしたとの報告がありました。

 

夕方の会議では、本日をもって北部で受け入れたボランティア総数が5万人を超えた、と報告がありました。

農業ボランティアの受付をりんごサテライトにて行う防塵マスク装着の指導をする

 

被災者への訪問健康調査活動みんなで力を合わせて頑張っています!