以前HuMA調査チームがアセスメントで訪れたQuezon CityのBagong Silanganというバランガイに、フィリピン首都圏保健局(DoH-NCR)チームと共に派遣された。 |
DoH-NCRとBagong Silangan, Quezon CityのTexas Medical Clinicで診療を行った。 以前に、初動チームが調査で訪れた地域であったが、多くの避難所がすでに閉鎖され、多数の人々が自宅に帰るか集約された避難所に 送られるかのどちらかになっていた。実際に現地に訪れるとすでに多くの医療チームが存在していた。我々としても不必要なところで医療チームを展開したい訳ではなく、そこから離れた地域に赴き、被災した地域の診療所を借りて医療活動を行った。本日は、約100名の患者さんの診察を行った。 昨日のクラスターミーティングでも取り上げられた援助の集中化、過剰提供がマニラ首都圏で問題になっており、未だに調査されていないマニラ首都圏以外の地域の被害が多いようであった。 診察を終え、午後よりDoH-NCR内での全体のクラスター会議があり、水と衛生や、栄養、小児保健、母子保健、 一般的健康について、物的支援、会計にわけて、 一週間の動き、また今後一週間をどうするのかの話し合いが約3時間にわたり行われた。 HuMAとしては、支援過剰な地域で診療するのはどうかと考え、マニラ首都圏内で比較的、援助が集中していない地域に巡回診療(麻疹の予防注射を含む)を展開したい旨を伝え、DoH-NCRの責任者から、人造湖であるLaguna de Bay周辺の、浸水して未だに周囲より孤立された地域にチームを展開する事で合意を得た。 台風被災から休みなしで働いていたDoH-NCRのため、明日の日曜は全ての活動が休みで、HuMAの活動も休みとする。ただ、来週月曜日にHuMAが派遣される場所は、船を使わないと行けないらしく、ブーツや医薬品を水から守れるウォータープルーフのボックス等が必要とのこと。明日はそれらの買出しなど、月曜からの巡回診療を有効に活用出来る準備に当てる予定である。 今回が初の災害派遣であったメンバーもいたが、チーム全員で全体の流れを見るようにし、診療所での診療は順調であった。今後は各クラスターとの進行状況を確認し、公衆衛生学的視点を持って巡回診療を展開する必要が出てくるであろう。我々の業務の中にも、麻疹の予防接種を主体とする活動や、下痢を中心とする疫病にたいして亜鉛投与等の栄養学的アプローチが必要になる可能性もある。 (写真上)本日の診療所 (写真中)診療風景 (写真下)DoHのMTGに参加 |
派遣者(ロジ-調整員)の一言: 診療所は狭い入り口が1つしかなく、中は2つのテーブルをやっと置けるほどの小さなものだったため、患者の流れをどのようにするか頭を悩ませました。また診療所は狭い通りに面しており、多くの人々がそこに群がって並ぶのは危険な状態でした。しかし地元の方々は大変協力的で、日よけ雨よけ用の傘も各自持参しいつも列を1列に道に沿って保ってくれました。列の一番最後の人に「最後尾」と書いた紙を渡し、それを後から来る方に渡してもらうようにしましたが、これに関しても協力的で割り込みなどの問題が発生しませんでした。途中、食料供給車がやって来て皆そちらに走っていってしまったので、戻ってきた時に混乱が起こらないかと心配しましたが、驚くことに元の順番に並びなおしてくれました。 (写真)最後尾と書いた紙をきちんと受け渡ししてくれる。 |