活動報告

調査チーム(浅井悌・長谷川泰三)活動レポート

 フィリピン首都圏保健局(DoHーNCR)が担当しているモバイルクリニックは多数あり、そのうちの2つを、浅井、長谷川両医師が各自視察を行った。

1) 浅井医師:EPIのメンバーと共にPasig Cityのコマンドポストへ。
コマンドポストでは、地区のNDCCミリタリーのtopと、今後の活動の可能性について協議した。やはり被害がひどいのが、Laguna de Bay 周辺で未だに浸水している箇所が多い。浸水しきっている地域の人々は、避難をしているが、膝ぐらいの水位の地域では、人々は自宅などに戻り始めている。よって、コミュニティーへのモバイルクリニックが必要になるかもしれない。

その後は、まだ水没している地域の避難所を回ったが、多くの方が、ULTRA(体育館のようなもの)に集約され始めており、午後に行った小学校は、全体で19家族のみ残っていた。その家族の方々もウルトラに戻るとのこと。
患者の大多数は、痛み、水虫、咳、発熱、皮膚のかゆみを訴えている。また処方の際に、現地の医療スタッフに薬を出してもらうことがあるので、HuMA医療チームの医師、看護師は、国際的に通用する処方法を一通り頭に入れておくことが大事である(例:o.d, once a dayなど)

2) 長谷川医師:DoH-NCRと共に、Pasig CityのULTRAへ
体育館に700人、いわゆるバスケットアリーナのようなところに2000人が収容されていた。 視察中も大型トラックの荷台に大勢の人々が乗せられて移住してきた。 医療・食事・ライフラインはDoH-NCRが中心となり供給は安定していると思われた。 しかし多くの避難所となっている小学校は、教育の早期再開のために、 閉鎖され、被災民は大型スポーツ施設(ULTRA)などに移動、あるいは自宅に戻りつつある。 様々なリソースは集まった被災民に集中してきているようである。

今回の医療班派遣は大変勉強になるものと思われる。日本チームが単独で医療行為をするのではなく、現地チームと協力し、現場を混乱させず、現場のニーズを的確に判断していく、現地の薬剤を使用し処方、治療していく等々、精神的にタフなミッションになると思われる。