お知らせ

平成28年熊本地震被災者医療支援 2016年5月9日

活動日:2016年5月9日
主な活動場所:阿蘇市保健センター、農村環境改善センター、一の宮小学校、阿蘇西小学校、阿蘇医療センター

【本日の活動概要】
阿蘇市保健センターADRO阿蘇支部での保健医療調整、農村環境改善センター、一の宮小学校、阿蘇西小学校での健康相談の実施、阿蘇市災害対策本部会議、阿蘇医療センターADRO会議に参加した

巡回診療
大分大学チーム、HuMAが実施している。保健師4府県13名が、避難所の巡回、全戸家庭訪問の活動を実施。宮崎県、山口県の栄養士チームが阿蘇西小学校で食事提供支援を行っている。阿蘇保健所で栄養食生活ミーティングに参加し、阿蘇市栄養士と活動打ち合わせを行った。日本看護協会6名が一の宮小、阿蘇西中学校などに常駐し、健康相談をおこなっている。現在の状況として、トイレ介助等が困難であり、またチームによってはチームチョッキを使い回しをしていることがわかった。保健師による全戸家庭訪問は4月30日より実施しており、9日までに在宅戸数918戸、不在戸数500戸の計1,418戸行い107.7%の家庭訪問を完了した。5月8日からは狩尾地区300戸を手分けして訪問している。

<HuMA活動>
午前中は阿蘇小学校体育館の保健師による巡回を、人手不足のため代行した。午後は、災害支援ナースが泊まり込んでいる一の宮小学校、阿蘇西小学校、農村環境改善センターに行き、看護師の生活環境と衛生面について聞き取り調査した。一の宮小学校では、巡回診療で患者2名の診察と、医療相談を数名おこなった。HuMAは避難所集約に伴う二次避難所予定の一の宮体育館と阿蘇第二体育館、阿蘇西小学校に向けての調整も行っている。保健師と今後の支援減少の状況と要支援者の数などから、トイレ掃除などを誰が担っていくかを話し合った。今後の活動目標として、避難者に対する自助活動について啓発のアイデア作りを行うとともに、引き続き一緒に考え必要があれば資料作りを手伝っていくこととする。 HuMA医師と調整員は18時から阿蘇市機関代表者会議に出席した。その後18時半よりHuMA医師と看護師は、第23回阿蘇地域保健医療復興連絡会議(ADRO)に出席した。夜間は、巡回診療を農村環境改善センターで行った。

<大分大学チーム活動>
・下肢静脈血栓症(DVT)活動:DVTストッキング配布後のフォローアップは不在者を除いて終了したので、集計作業に入った。入力フォーマットを作成し、入力作業を行った。
・家庭訪問:山口県保健師チームと同行し、業務援助を行った。
・避難所巡回:阿蘇中学校で18時半から30分程度行った。避難者は20人。嘔吐・下痢の傷病者なし。健康相談、診療はなかった。

阿蘇市機関代表者会議(18:00)
・市:5月10日は東シナ海にある停滞前線が北上し、この前線上に低気圧が発生し九州を通過する。このため、10日未明から雨となり、昼前から局地的に30ミリ以上の激しい雨が降るおそれがある。9日に生活環境保全上の支障となっている損壊家屋の解体・撤去の円滑な実施に向け、「阿蘇市熊本地震事業対策班」を設置した。

・避難所:避難者数(配食数)458名(前日528名)。9日14時の指定避難所滞在者数106名(8日14時138名、20時226名)。雨で予防的避難の可能性がある。

・災害廃棄物集積状況、仮置き場:路面不良のために、9日は<農村公園あぴか>でのみ受け入れた。

・自衛隊:阿蘇西小の入浴支援は5月11日をもって中止とする。

・国交省:土砂崩れ等に対する青ビニール布で覆う予定であったが、この雨で二次災害の危険があるので遅れている。

・熊本県:道路開通に向けて作業をしている。

・阿蘇警察署:雨による二次災害に注意すること。

阿蘇地域災害保健医療復興連絡会議(ADRO- 阿蘇市分室HuMAより)
・一時避難所を二次避難所に集約するための準備やアンケート調査をおこなっている。二次避難所内でどこに入ってもらうかは、家屋の倒壊の程度や各人の日常生活動作の評価が必要と考え、検討を始めている。全戸家庭訪問は4月30日より始めて以来100%を超えているが、まだリストに入っていない箇所があり300戸を分担して訪問している。感染症に関して、阿蘇市内では現在、特別な感染対策を要する消化器症状や発熱疾患の新規発生はない。避難所にて、ハエ、蚊の発生を確認したので、トイレやゴミの衛生指導・玄関からの侵入など対策をする必要がある。

・DVT対応:深部静脈血栓症発症予防の啓発活動に関して、大分大学が作成したマニュアル、チェックリストを用いてアフターフォローを継続している。保健婦とHuMAが共同で家庭訪問を実施。

・その他:阿蘇西小学校の浄化槽が壊れているため、9日はラップポンと仮設トイレを使用してもらう。4-5日で修理できるそう。一の宮では夜間に市の職員が不在のため、災害支援ナースがトイレ補助をするなど負担が大きくなっているので検討が必要。

第24回阿蘇地域災害保健医療復興連絡会議(ADRO) 阿蘇医療センターにて18時半から20時まで
HuMAより医師および調整員各1名が出席。
参加機関:熊本県医療政策課、阿蘇保健所、阿蘇医療センター、ADRO事務局、南阿蘇担当、阿蘇市担当(HuMA二宮宣文)、JMAT、ADRO情報分析班、ADRO-ICT、阿蘇郡市医師会、阿蘇郡市歯科医師会、日本赤十字社、DPAT、阿蘇郡市薬剤師会、JDA-DAT(日本栄養士会災害支援チーム)、JRAT・阿蘇リハビリテーション広域支援センター、阿蘇警察署

1)阿蘇医療センターの診療概要について:5月9日は入院数98、一般外来213、救急外来3、救急車1、ヘリ搬送0、新規入院1、波野診療所10
2)各エリア活動報告
・南阿蘇村:大津村の本田技研熊本製作所避難所は拡大傾向にある。
・西原村:出席せず
・阿蘇市:(報告者HuMA)基本的には18時の阿蘇市の機関代表会議の内容を報告した。その他として、HuMA持参薬品のドネーションについて薬剤師会代表に話をした。他チームで、災害支援用のベストが初期の派遣チームからの持ち回りになっており、洗濯などをしてユニホームにこだわらず清潔な服装で作業をした方が良いのではとアドバイスした。阿蘇市の保健師や災害派遣ナースの精神的なストレスや疲労が心配であるので、災害派遣精神医療チーム(DPAT)にそちらのケアーをお願いした。

巡回診療・健康診断の様子

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