お知らせ

平成28年熊本地震被災者医療支援 2016年5月5日

活動日:2016年5月5日
主な活動場所:阿蘇市保健センター、阿蘇西小学校避難所、乙姫ペンション村、 阿蘇医療センター

【本日の活動概要】
阿蘇市保健センターADRO阿蘇支部での保健医療調整、一の宮地区避難所での健康相談DVT診察、高血圧患者診察、DVT疑い患者往診、阿蘇医療センターADRO会議

晴天。大きな震度4の余震が2回あった。全員が活動サイト範囲内におり安全確認を行い、無事を東京本部に報告した。周囲では冷静に対処する様子が見られた。

多職種調整会議の前に、避難場所を巡回訪問している保健師のチームの訪問予定カレンダーを作成し、それぞれ8か所の訪問スケジュールやタイミングを確認できるようにした。 巡回医療は現在、大分大学チーム、HuMA 2チーム、ロシナンテスが行っている。保健師5府県16名が、避難所の巡回、全戸家庭訪問の活動を実施している。日本看護協会6名が一の宮小、阿蘇西中などに常駐し、健康相談を行う。全戸家庭訪問は4月30日より実施しており、4日までに65.3%の家庭訪問を完了しこの数日中に100%になる予定。避難者の食事が炊き出しから弁当に変更され、ビタミン不足が懸念され支援物資から補充する必要がある。5日夕から災害派遣精神医療チーム(DPAT) は拠点を本支部から保健所に移動した。 HuMAチームは大分大学チームと阿蘇西小学校を訪問し、HuMA医師が高血圧症者の診察を行い、大分大学チームが下肢静脈血栓症(DVT)疑いの診察・弾性ストッキング装着指導を行った。西小学校周辺はまだ水道が開通していないが、衛生状態はかなり良く数日以内に水道は回復する予定。午後より兵庫県立災害医療センターとADRO本部の訪問があり、本支部の活動について説明を行った。13:50頃、訪問巡回をしている保健師チームより16日間車中泊の下肢の腫れを訴えている女性(74歳)の報告を受け、HuMA医師が往診に向かい、DVT疑いにて6日に医療センター受診予定となった。

5月4日以降HuMAチームに合流しているALSO(Advanced Life Support in Obstetrics)という周産期の教育コースを展開しているNGOのチームは、一の宮の保健師から車中泊をしている妊婦の診察依頼があり診察した。妊娠37週妊婦で経産婦のフィリピン女性・1歳の男児と同伴。地震があると不安、パニックになり、胎動が強くなり恥骨の上あたりが痛くなるとの訴えあり。その際臍帯巻絡が心配。超音波検査を行ったが、赤ちゃんは元気で心配ないこと、胎動が強いことは赤ちゃんは元気だから心配無いことを説明した。夫は糖尿病で50歳、3日前から薬を飲んでいない。顔色はよく子供も元気。話かけても笑顔はある。日本語は話すが、こちらの言っていることは、全部は分からないようでたまに英語を混ぜて話すといくらか理解度は上がる様子。尿検査はタンパク±、糖+。血圧正常。むくみなし。

問題は車中泊、住宅は大丈夫で片付いてはいるが、2階で階段があり地震の時逃げられないのが怖いため軽自動車で車中泊を続けている。 保健師と話し合いが始まり、妊婦の身の置き所について根気強く相談を続ける。最終的には、夜間は車で30分のところにある父母宅、日中は一の宮の友人宅で過ごすことでまとまった。診断は地震による胎動増強による精神的不安とのことで、医師、助産婦による指導を行った。

18:30大分大学チーム、ロシナンテスチームの巡回診療を農村環境改善センターで行った。避難者は50名程度。熱発、下痢の傷病者なし。ロシナンテス医師が上気道炎患者1名を診察した。

会議に関しては、18:00より阿蘇市役所にて市災害対策会議にHuMA医師2名が出席。市長より交通量が増え事故を懸念しており十分注意してほしいとの指示を受ける。給水については長塚地区の復旧が遅れているが数日以内には復旧したいとのこと。自衛隊より入浴サービスを行っているが今後縮小していくかもしれないとのこと。避難所の状況は、一の宮地区3施設、(一の宮小体育館、旧古城小学校、かんぽの宿)のアンケートについて集約中。避難者数(配食数)618名(指定避難所598名、自主避難所20名、前日5月4日は658名。5月5日14時の指定避難所滞在者数は184名。4日14時189名、20時192名。熊本県の天気は5月6日は雨予報があり、崖くずれ等に注意するよう喚起された。阿蘇市保健センター ADRO阿蘇支部について報告した。

18:30:阿蘇医療センターでのADROミーティングにHuMA医師2名と調整員1名が出席した。阿蘇支部活動報告を上記内容にそって報告した。阿蘇医療センターよりセンターの5月5日の状況として入院102、一般外来0、救急外来33、救急車4、ヘリ出動0、新規入院3、の報告があった。

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