被災地では、災害の影響により地域社会やインフラが損傷し、復興が優先される状況が生まれます。このような状況では、通常の活動や日常的な業務が十分に行われることが難しくなります。それでも、復興に向けて前進すべく、HuMAが支援している七尾市の恵寿総合病院は通常の活動を継続しています。本日は、学生リクルート活動に参加しました。ただ、学生向けに病院の説明をするスタッフが不足しており、産婦人科医長の新井先生と共にHuMAチームの医師(*)も、急遽、金沢で開催されている病院説明会に参加することとなりました。
恵寿総合病院の説明を聞きに来た方々に、部外者であるHuMAチームの医師はもちろん病院概要や待遇などの説明は出来ませんが、災害支援を通して感じたことなどをお話させていただきました。
「この病院ならではの研修でできること。それは、新井先生をはじめ、誰一人としてこの災害の中で自分を優先させず、お母さんと赤ちゃんのために自分を犠牲にして働いている姿を間近で見ることです。これこそ、医者として学ぶべき姿です」
学生さんたちが入局してくるのは来年ですが、まだ災害の爪痕は残っています。恵寿総合病院での研修は、医学の知識技能を得る以上のものであり、医師としての矜持、倫理、心構えが身につくことです。これは既に医師である自分自身がこの支援活動を通じて強く感じたことであり、他の病院では得られない貴重な経験となると思っています。学生が今日をきっかけにこの病院で学び、未来に繋がればと願います。
説明会終了後は、途中で志賀町の現状を視察し、その後に病院に戻りました。
*NPO法人ロシナンテス様から、医療従事者の派遣にご協力いただき、現在は、産婦人科医の派遣をしていただいてます。誠にありがとうございます。
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本日は分娩進行者もおられず、HuMA助産師は病棟で、分娩監視装置モニター装着2名、モニターの電子カルテ取り込み用作業、ベビーのバイタルサイン、沐浴、配膳、授乳介助などのルーチン業務をおこないました。
朝のミーティングでは、母胎管理の為の情報共有について話し合いが行われました。以前は病棟スタッフが実施したモニターを、データベースで医師が確認できていましたが、災害のため、現在はそれができない状況です。アナログに戻らざるを得ず、紙ベースで直接医師に確認することが抜けないよう、徹底的な周知が行われていました。電子化が進み、当たり前のようになっていたことが災害でできなくなり、ちょっとした業務負担が重なっていると感じました。これからもHuMAは医療スタッフの派遣を続け、お手伝いできることをやっていきたいと思います。