お知らせ

2017ミャンマー避難民本隊人道医療支援 四次隊 2018年1月12日

活動日:2018年1月12日
活動場所:DCHTヘルスポスト(Hakimpara)、Hakimpara難民キャンプJ DCHTモバイルクリニック(Hakimpara)

【本日の活動概要】
完成したヘルスポスト運営状態の観察、DCHTモバイルクリニックのチェック(Hakimpara)、Hakimpara難民キャンプ全戸訪問(ブロックJ)

今日からCox`s bazar HuMAチームは医師一人となります。HuMA看護師とPWJ(Peace Winds Japan)はダッカに移動し、DCHT (Dhaka Community Hospital Trust)・PWJ・HuMAの会議に出席です。

9時前にHuMA医師がHakimparaのDCHTヘルスポストに到着すると、まだスタッフは誰も来ていなかったので、Brac diphtheria isolation centerを見学しに行きました。同施設は12月18日からスタートし、今までに48人が入院し、現在入院患者はおらず、ベッドは20床あります。Diphtheriaのoutbreakは収束の方向に向かっているようでした。

その後、9時過ぎに開院となりました。室内は綺麗に清掃されており、診療終了後は清掃を行っているとのことでした。開始直前にDRに妊婦健診について尋ねると、バングラデシュでは通常検診は妊娠20週、28週、32週に行い、37-40週になると週1回来院するように指導しているとのことです。妊婦検診用の書面は、政府からの正式なものはなく、分娩センター独自の書類を使用しています。昨日の来院患者はヘルスポストが238人、モバイルクリニックが230人でした。

その後、本日から始まるHakimpara難民キャンプの全戸訪問に同行しました。Health worker2人で行い、注意するべき人をノートに記載する方法を取っていました。ノートには多くの項目が記載されていました。本日はブロックJで行い、一人目は家でTBA(traditional Birth Attendant)の協力なしに出産した産後2日目の母と新生児です。新生児の臍帯をチェックし、母子ともに概ね問題はありませんが、DCHTのヘルスポストに来るよう指導していました。この家族は1つの家に2つの家族が住み、1つの部屋に10人で生活しているとのことでその中で、家で出産をしていました。妊娠36週の妊婦は貧血が疑われ、妊娠32週の妊婦は下肢の浮腫を認めました。初産の妊婦もいました。コミュニティが密に交流しているため、次から次に妊婦を紹介されましたが、その中で、低栄養児はあまり見当たりませんでした。 DCHTスタッフによると Health worker 1人あたり15-20世帯/日で継続し、データはexcel化し、この中から、distribution listを作成する予定とのことです。この件と妊婦検診については5次隊への引き継ぎ事項となりそうです。

それからモバイルクリニック(Hakimpara)に移動しましたが、本日も特に問題ないなく終わりました。DCHTヘルスポストに戻り、DRと今後の産科医療について話し合いました。DCHTヘルスポストは基本正常分娩を対象とし、リスクを伴うものは他へreferする必要があります。バングラデシュでは、多くの一般市民は基本政府系の病院へreferするため、Ukhiya Upazila Health Complexがそれに相当するとのことです。しかし、同院の産婦人科医は数名しかおらず、24時間対応は困難なので、さらに高次医療機関であるcox`s bazar sadal centerまでreferしないといけないかもしれないとのことでした。Malasiaのfield hospitalの話もしましたが、この辺りの調整も今後必要かもしれません。金曜日はイスラム教の休日なので本日の午後は休みとし、報告業務に勤しみました。

明日は4次隊最後の日です。他の機関のHealth awarenessの見学と低栄養者に対する全戸訪問の仕方について確認を行います。

一方、ダッカに向かったHuMA看護師とPWJスタッフは天候トラブルのため長時間空港で待機ということになりましたが、最終的に無事到着し、すぐにDCHTの500床ある大病院に向かいました。人々に寄り添い、貧しい人からはお金をとらないことをモットーとしており、毎日大変な行列ができる人気病院とのことです。

夕刻には、今ミッションを統括するDCHTのトップ3に会いました。他スタッフも加え、本日7人で話し合う内容は、大きく分けてハキンパラの労務管理状況とHuMAの今後の役割についてです。労務管理については現地のスタッフに疲労がたまらぬようシフトのローテーション表をDCHTからPWJに提出することで落ち着きました。

続いてHuMAの今後の貢献内容についてご助言を頂くべく、まずは1次隊から4次隊までの活動の流れを説明し、続く5次隊以降の活動予定を伝えました。まず開院したヘルスポスト運営状態の観察、次にHealth Awareness Campaignの進捗状況の観察、さらに栄養失調へのdistributionの実施状況の観察、そして国際機関および近隣地域とのコーディネーションです。近隣地域には既に医療に限定しないHakimpara General Coordination Meetingがハキンパラ担当Army主催で月2回開かれています。そこで、各医療機関が独自にキャンプに派遣しているhealth workerのawareness活動の重複や取りこぼしを防ぐべくHealthに特化したCoordination Meetingが必要だとは思われますが、地域スタッフの負担を減らすべくそのミーティングにとって代わるコーディネーションの役割をHuMAが請け負うべきかもしれません。

また、health awareness programに最も力を入れて欲しいと依頼されました。日本人医療者の助言を訳せば説得力を持つ、難民患者の方々も言うことを聞いてくれるであろうと。そこにまず来てくれる意味があると言われました。

雇用に関してはHuMAもDCHTトップも全く同じことを問題点として認識していると分かりました。本日は様々な問題点を共有できて非常に有意義な時間を持つことが出来ました。トップ3はそれぞれに人間的スケールの大きさを感じさせる実に立派な方々でした。非常に温かく我々を受け入れてくれ、今後派遣される隊員のみならずHuMAという組織と更に関係性を発展できると確信しました。

開院直後のDCHTヘルスポストモバイルクリニック(Hakimpara)