2014年5月23日・フィリピンレイテ島Tacloban市とセブ島Cebu市
【本日の活動概要】
本日はOrmoc-Cebu組と、Ormoc-Tacloban組の二手にわかれて活動しました。
Cebu組のHuMA医師とロジは、研修でセブ島にきているMerida Rural Health Unit(RHU)のMunicipal Health Officer Solana医師と会うため、朝8:15のフェリーでセブへ向かい4時間近くミッション評価の聞き取りを行いました。夜は2013年のHuMAフィリピン台風ハイエン医療支援活動遂行に多大な協力をいただいたセブ在住の日本人夫妻に再会し、セブでの状況等を伺いました。
Tacloban組の同じく医師とロジは午前中Ormocで市庁舎とOrmoc District Hospital(ODH)を、午後はPalo村のLeyte Provincial HospitalとRegion8のHealth Officeを訪問し、最後にJICA母子保健プロジェクトの担当者にヒアリングを行いました。
以下はOrmoc-Tacloban組の報告です。
【Ormoc市庁舎】
Department of Interior and Local (DILUG)の担当者にヒアリング
・フィリピンおよびレイテ州の平時および緊急時の行政各組織の役割について説明を受けた。
・レイテ州のMunicipalityに関する資料を入手した。
【Ormoc District Hospital】
Philippines Integrated Disaster Surveillance and Response(PIDSR)研修の担当者にヒアリング
・ODHでは周辺の4自治体のPIDSRの報告をまとめてレイテ州の保健局 Provincial Health Office(PHO)に送っている
・2013年11-12月の期間では、メリダからは腸チフス1例のみ報告あり(時期の詳細は不明)
・管轄地域のPIDSRの報告数の集計表(2013年-2014年4月分)を入手
【Leyte Provincial Health Office】
PIDSRの集計担当者にヒアリング
・台風の後、デング熱の患者は平年に比べて増加したが、現在は平年並みに戻っている
・デング熱の発生について明らかな地域の偏在等はみられない
・SPEEDという報告スタイルがあるが、それとのリンクは診断基準が違うことから不可能であるため行っていない
・レイテ州の村単位の全対象疾病のデータについて
・2009年から最新週までのデータをメール添付で受け取る予定
【Region 8 Health Office】
Health Emergency Management Staff (HEMS) のSPEEDの担当者にヒアリング
・SPEEDは2013年11月10日から2014年3月まで実施
・RHUおよびforeign medical team(FMT)がPHOに情報を毎日報告し、症状の集積が見られた場合には、Region Health Office (RHO)が電話でRHUなどに状況の確認を行う
・今回の台風では特に大きな問題はみられなかった
・Merida地域の報告状況は他の自治体に比べて大変良好であった
・Municipality単位でのSPEED 報告数、SPEEDの毎週のサマリー、SPEEDの報告用紙、FMTのリストについてメール添付で受け取る予定
【Leyte Park Resort Hote】
JICAの母子保健担当者にヒアリング
・プロジェクトは、産前産後健診の受診率、施設分娩率の向上を目指して、各自治体に働きかけるもの。各関係者のインセンティブを高める方法で良好に機能しつつあったが、台風で中断した。今後は体制の復旧を行う
・今回の災害での課題は、医療機関の被災と機能不全によるreferral lineの変化、麻酔科医・産科医などのスタッフ不足が挙げられる
・妊産婦死亡の一時的な上昇も確認されている
・FMTとしてはRHU等の自治体に対して記録を残すことが重要
・ローカルの人材をうまく活用することが求められるがそのためには平時からの関係構築も重要
・HuMAが実施した超音波によるスクリーニングはハイリスク妊婦を適切にreferできるという点で大変評価できるが、referral hospitalの人員不足を補うサポートも必要
・United Nations World Food Programme(UNWFP)の施設提供は評価できる