第四次本隊 報告書
2013年12月26日・フィリピンレイテ島Merida町Rural Health Unit
【本日の活動概要】
本日は1か月ほど続けた診療の最終日です。Merida地区保健所のような存在であるRural Health Unit(RHU) にて、休暇中のSolana医師の代わりに午前のみ診療を行いました。
朝には薬局にて小児用風邪薬を購入しましたが、薬局通いもこれで最後となるため、一次隊の時期から長らくお世話になったスタッフに改めてご挨拶し御礼を申し上げました。RHUに到着すると、車から降りた途端に背後から「こんにちは!」と日本語で声をかけられ、驚いて振り向くと、学生さん方3人が立っていました。フレンズ国際労働キャンプ Friends International Work Camps(FIWC)という学生ボランティアNGOのメンバーで、私たちがこの日この時間に来るという情報を聞きつけ待っていてくれたそうです。彼らはこの5-6年間Merida地区で活動しており、住民との強い絆を結んでいます。
まずはRHUと同じ敷地にあるメリダ町役場に入り、1階の警察署の前に高く積まれたポリタンク様の水容器Jerry Canを確認し、この搬入で大変お世話になった警察署長Salano氏にHuMAからの感謝状を贈呈しました。そして署長とHuMAメンバーと、HuMAの今活動を応援して下さっているFIWCのメンバーとでJerry Canの山の前で写真に収まりました。
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RHUから町と海を臨む | RHUの建物の裏の様子。 いまだに消えぬ傷跡がうかがえる |
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24日深夜にJerry canの運搬の警護をしてくれた メリダ警察で。Merida警察署長に感謝状贈呈 | 物品寄付Jerry canの購入に 貢献してくれた学生団体と |
本日の診察室内は11:00の時点で29℃、湿度79%、2診で2時間診療しました。初めての海外ミッションを今回経験したメンバーがいましたが、患者さまの感謝に満ちた眼差しと笑顔が実に印象的だったと感慨深げに語っていました。初めての海外活動で、日本の日々の診療では味わえない何かが心に残ったようです。
昼食後にはメリダ町役場の1階にて、翌日のドネーション・セレモニーすなわち寄付物品供与式の準備をしました。Jerry CanにHuMAとJPFのシールを貼り、物品の並べ方や写真の構図を考え、会場をあとにしました。その後、Ormoc市役所2階のUN Coordination Centerを訪ね、Health Cluster CoordinatorであるWHOのZeleke医師に顔を見せてからホテルに戻りました。
明日は午前いっぱいで現地を撤収。時間に追われる可能性があるため、今日のうちにホテルロビーの美しいクリスマスツリーの前で運転手と車両手配などを行ってくれたHuMA現地スタッフににHuMAからの感謝状を贈呈しました。特に運転手のダニエルは非常に思慮深く謙虚で有能で、診療活動はもちろんのことクリスマス会の準備から進行まで一生懸命手伝ってくれ、HuMAメンバー同然でした。「あなたなしでは、私たちの活動の成功はなかった。あなたのしてくれた全てのことにありがとう」と言うと、ダニエルは目に涙をいっぱいためて必死にこらえており、多くを語らずともわかり合っているのでそれ以上の会話は必要ありませんでした。
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明日の最終ミッション、ドネーションセレモニーの準備 | 通訳、運転手に感謝状を送った |
その後は夜にかけて隊員一同手分けをし、日本のHuMA事務局に返却すべき物品の再確認、現地に残すべき物品や薬品の一覧表づくり、寄付に際し交わす書面Donation Agreementの作成、そして現地医療機関などに提出する英文報告書の完成に向けて最後の力を振り絞りました。自分の担当する仕事に目処がついた人からバタバタとベッドに倒れこんでいく中、英文報告書を印刷し、全19ページを製本できたのが夜中の3時半でした。最後の校正が朝6時半に日本のHuMA理事長から届き、一部を印刷し直し製本し直したのが朝7時。なんとか7時半の出発に間に合わせることができました。理事長だけでなく、担当文章・地図・グラフ・表などを寄せてくれた全てのメンバーの日本からの支えがあってこそ漕ぎ着けることができた結果です。 皆で作り上げた報告書を手に、活動最終日の朝を迎えることができて安堵しました。撤収まであと数時間、お世話になった各関係機関へご挨拶に回る予定です。
【診療報告】
12月23日に続いてMerida RHUを訪れた。医師2名、看護師3名、調整員2名で午前中のみの診療となった。
受診者は計74人で再診者は7名であった。男性28名、女性46名で女性の割合が多かった。年齢は15歳以下の小児47名(63.5%)、16-59歳21名(28.4%)、60歳以上6名(8.1%)であった。
ほとんどが上気道感染で45名(60.8%)と最も多かった。皮膚の感染などが目立ち皮膚疾患が2番目に多く12名(16.2%)であった。処置としては、かなり時間のたった前額部に挫創のある1名に対して行った。その他、釘を踏んだなどの創部のある方に予防接種のための紹介を3名に行った。
本日はSolana医師も来ると聞いていたが実際には来なかった。近隣山間部の村からも来院もあり、休み明けであることと合わせて、先日よりも多めの受診者数となった。
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一歳の赤ちゃんを丁寧に診察する | 真剣なまなざしで具合を聞く医師 |
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高齢者の腰痛の具合を確認する医師 | 丁寧な診察を心がける |
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薬局の様子 | 本日で医療活動も終了。最後の診療統計を行います |
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RHUからThank You! |