お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年12月18日

第三次本隊 報告書

2013年12月18日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のSan Isidro村

【本日の活動概要】
Meridaでもっとも山奥に位置する村であるSan Isidroへ行きました。Merida Rural Health Unit(RHU)のMunicipal Health Officer のSolana医師や地元の看護師をして「challenging place」と言わしめる村です。天候にもよりますが、場合によっては2時間近く山道を資機材をかついで、5㎞ほど歩くことになるかもしれないと事前に言われハードな一日を想定していました。全員で薬剤を分けてザックにつめ、雨中での登山を想定し準備していたのですが、実際には4WD一台が悪路でやはりパンクしましたが、ドライバー2人がリペアのタイヤを持ってきていたのですぐに交換することができました。なんとか車で到達することができ、到着した時は皆で歓声を上げました。

村は人口838名、5歳未満53名 被災状況家屋223軒中、全壊200軒、半壊23軒。家々が全壊になっており学校も潰れてしまったので、半壊だった家の一角を借りて学校にし、生徒が収まりきらないので立って勉強をしている状況です。被災後一度ポーランドの医療チームが入り、4名の医師で130人診察したと聞きました。

幸い本日は天候に恵まれ、無事に診療を終えることができました。 村を出る時は、子どもたち、お母さん達が我々の手を握り、”ありがとう”と笑顔で送り出して下さってとても幸せな気持ちになりました。この村には、”雨が降ると家がまた壊れそうで怖くて眠れない”といった、不安・不眠を訴える患者さんが多かった印象を受けました。しかし、街中では”Roofless, homeless, but not hopeless”といった言葉を耳にしたり、看板を見かけ、逆にこちらが励まされました。 空が近く、素晴らしい青さで、心が洗われました。

町に戻り、いつものようにRHUにてSolana医師に活動報告を行いました。また、昨日の頸部骨折患者についての相談や今後の活動についてミーティングをしました。

【診療報告】
本日の受診者は120人で男性は35人(29.2%)、女性85人(70.8%)と他の村と同じく女性の方が多くみられた。 年齢は小児(0-15歳)が37人(30.8%)、生産年齢(16-59歳)は58人(48.3%)、高齢者(60歳以上)は25人(20.8%)であった。山間部に入ってからは、小児の受診者が少なく高齢者が多い傾向であったが、ここでは小児の受診者は多かった。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が50例(41.7%)と多いことは変わらず、高血圧の患者が35例(29.2%)と多数認められ、またこれまでに一度も定期的な指導や治療を受けたことがないという患者が多かった。山間部であり、他の村に比べてRHUをはじめとした医療へのアクセスの問題によるものかと考えた。