お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年12月17日

第三次本隊 報告書

2013年12月17日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のTubod村

【本日の活動概要】
Tubodは、人口481名、5歳未満40名の村です。月に一回、予防接種や助産師の健康相談が行われていましたが、11月は台風後Rural Health Unit(RHU)スタッフが多忙だったのでキャンセルになっており、本日は台風後、初めての診療とのことでした。

巡回診療はBarangay Hall(Barangayとは村の意)の部屋をお借りして診療を行いました。比較的風通りもよく室内に入る患者数も動線を確保できたので、落ち着いて診療が行えたと思われます。オランダ赤十字チームがBarangay Hallの一角で住民に対し、台風の被災状況をチェックリストに基づいてチェックアップしていました。Meridaの各村で行っており、集計後、オランダ赤十字の支援金や支援物資の分配をこれに基づき検討するそうです。

【診療報告】
本日の受診者は79人で男性は26人(32.9%)、女性53人(67.1%)と他の村と同じく女性の方が多くみられた。 年齢は小児(0-15歳)が18人(22.8%)、生産年齢(16-59歳)は40人(50.6%)、高齢者(60歳以上)は21人(26.6%)であった。他の村と比べて小児が少なく高齢者が多かった。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が24例(30.4%)と昨日よりもさらに減少。かわりに高血圧の患者が15例(19%)と多かった。その他は加齢性変化による痛みや皮膚疾患も多く見受けられた。

本日は紹介患者もなく穏やかに診療を終了しようとしていたところ、台風の時に壁が倒れてきて、左足を受傷、その後歩けなくなっているという59歳の患者が椅子で抱えられながら受診された。明らかに脚長差があり、診察上も大腿骨頚部骨折と診断した。12日に同様の患者を後方病院へ紹介搬送した経験があったので、同じような提案をしたが、患者も家族も受診しても治療費どころかX線写真を撮る費用すら払えないという。現地の助産師や看護師に相談するも、救急車はこの村までたどり着くことができず、また運んだとしても検査料が払えなければ…のことであった。

HuMAとしてどのように対応するのが良いか現場のスタッフ全員でディスカッションをおこなった。結論としてはHuMAとしてこの患者の治療費を負担することはできないと判断した。それは今回のミッションの目的や、他の多くの患者との公平性、現地の医療状況にどこまで介入するかということを話し合った結果である。目の前で痛がっている患者を置いて帰るのは非常に辛かったが、明日Merida RHUのMunicipal Health Officer のSolana医師に報告し、何かよい救済案がないか相談することとして村を後にした。

目の前の患者の対応は…。HuMAと現地のスタッフ全員で話し合いを行う
ディスカッションの様子はこちら

*本日より新HuMA調整員3名がレイテ入りしました。