お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年12月16日

第三次本隊 報告書

2013年12月16日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のMat-e村

【本日の活動概要】
Mat-eは今まで訪問した中では、比較的平地が多く水田が多い村でした。しかし傾斜のある畑のヤシの被害、収穫が始まっている大きさのマンゴー樹の倒伏も多くあり、かなり強い風が吹いたと思われます。 

今回の診療場所は屋根だけかかっているオープンスペースで行いました。風通しが良くスペースも十分取れワクチン接種も同時にできましたが、そのため若干込み合いました 天気があまり良くなくMat-e到着時は29.2℃まで上がりました。11時過ぎには雨が降り出し気温が下がりましたが、今度は湿度83%と蒸し暑くなりました。外で並んで受付を待っていた人たちも屋根の下に入ってきたので、かなり混雑しました。また、オープンスペースだったことが原因と思われますが、やたら犬が入り込んできて、問題と思われました。HuMA看護師の働きのおかげで、薬局の仕事がとてもスムーズで余裕ができました。 

今日も子どもたちに、シールや折り紙を配り和やかな雰囲気でした。今日は村長も診療を受けにこられ、最後の記念撮影までいてくれました。

診療後はいつものようにMerida Rural Health Unit(RHU)に立ち寄り報告書を提出しました。また、HuMAのためにいつも看護師や助産師などスタッフを派遣してくださるRHUに、不足していると言っていた薬品を寄贈しました。

RHUで薬品のドネーションを行った

【診療報告】
本日は天候が悪く、かなり長時間雨が降っていた。幸いRHUから近い村だったため大過なく終了した。

本日の受診者は96人で男性は32人(33%)、女性64人(67%)と他の村と同じく女性の方が多くみられた。 年齢は小児(0-15歳)が27人(28.1%)、生産年齢(16-59歳)は59人(61.5%)、高齢者(60歳以上)は10人(10・4%)であった。他の多くの村と同じく小児の受診が多かった。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症(ARI)が33例(34.4%)と最も多かったのは他の村と同様だが、他の村よりもARIはやや減り、特に台風のあとからの不眠を訴える患者が9例(9%)と多かった。その際には詳しい理由が聞けなかったが、RHUでMunicipal Health OfficerのSolana医師に報告したところ、台風の後にさらに災いがやってくるという迷信のようなものが横行しているらしく、それによって不眠を訴える人々がいるらしいとのことであった。災害後のメンタルケアの重要性と難しさを感じた。

後方機関への紹介患者としては①不整脈と甲状腺腫大の35歳男性、②外傷後に右腕の感覚と運動障害をきたしている43歳女性、③頻脈と両下腿の浮腫をきたしている33歳女性 の3人であった。いずれも緊急性はないと判断し、紹介状を渡して後日受診するように説明した。

被災から40日が経過し、外傷、下痢などの急性疾患はやや減少し、慢性疾患の増悪や皮膚のトラブル、不眠などのメンタル面での問題が前面に出てきている印象を受けている。