第三次本隊 報告書
2013年12月13日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のCabaliwan村
【本日の活動概要】
Cabaliwan村はMerida Rural Health Unit(RHU)から約40分程度の山の中にあります。人口は1,000人程度、農業が中心で、ココナツ、根菜類などを生産しています。水田はこの村にはないそうですが、もみを乾燥しているようで種籾でしょうか。午前中は天気がいい上に風がなく、室内も11時の時点で32.5℃湿度62%で非常に暑かったですが、お昼になる前には風が吹き出して、環境がいくらか良くなりました。
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まずはOSOCCにて、デング熱の確定診断法や カウントの方法を保健局員に確認 | Cabaliwan村の様子 |
本日の診療サイトは昨日と比べて診療室や受付共にスペースが広く取れ動線が決めやすく、昨日よりも余裕のある診察ができました。患者が殺到することがなく、午前も午後も余裕を持って診療を終了することができました。診療サイトのデザインが、診療効率に及ぼす影響を再認識した一日でありました。
スタッフともいろいろな話が盛り上がり、非常に和やかな雰囲気の中で仕事が行われました。HuMA医師が日本から持参した子ども向けのシールを持参してきましたが、爪に張ってネイルアートのようにしたり腕やカルテに張ってあげたりで、子どもたちも非常に喜んでくれました。子供の笑顔が出ると大人も笑顔となり、温かい雰囲気が生まれました。
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本日の診療所はスペース広々 | 活動二日目、慣れてきました |
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注射がんばってます! | ご褒美のシールです |
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診療後は、RHUにて本日の活動や昨日のクラスターミーティングの報告をし、その後、薬品の購入に行きました。
診療の中で使用している薬剤リストが古く、実際の在庫や薬品名と乖離が生じているため、これを作り直してリスト化し、さらに更新や残数の確認がしやすいものを作成することを三次隊のミッションの一つとしました。今後のHuMAミッションにも生かされるリスト作成ができるよう心掛けたいと思います。
【診療報告】
山間部のCabaliwan村で、RHUの助産師1名、看護師3名と共に診療開始。悪路にも少し慣れてきて、歩かずにサイトに到着できるだけで感謝を感じる。
受診者は合計77人で男性は23人(29.9%)、女性54人(70.1%)と他の村と同じく女性の方が多くみられた。 年齢は小児(0-15歳)が31人(40.3%)、生産年齢(16-59歳)は34人(44.2%)、高齢者(60歳以上)は12人(15.6%)であった。他の多くの村と同じく小児の受診が多かった。
疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が41例(53.2%)と最も多かったのは他の村と同様だが、本日の村では高血圧が17例(22.1%)と目立った。年齢分布は他の村と同様であるので、地域の特異性かもしれない。
1年以上続く咳の53歳男性を結核疑いとして、痰を採取してRHUへフォローをお願いした。本日判明した事実だが、患者にRHUを受診してもらわなくても痰のみを現地で採取して、それを看護師がRHUに持ち帰って検査するというシステムが存在した。このシステムは今後も活用すべきと考えられた。そのほか心雑音、不整脈の74歳女性をRHUへ紹介とした。
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痰を採集する場所が用意されている | いつもお世話になっているMerida RHUのSolana医師 |