お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年12月9日

第二次本隊 報告書

2013年12月9日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のCanbantug村

【本日の活動概要】
日本に帰るべく、本日二次隊看護師2名と調整員1名の計3名がセブ島へと出発。現在HuMA医療チームは医師2名のみとなりましたが、Merida Rural Health Unit(RHU)より、看護師5名、助産師1名を派遣してくれました。 今日の活動場所も山間部のアクセスが悪い地域です。安全のため2人だけであっても4WD2台で進みます。到着直前で1台がオーバーヒートしましたが、もう1台に乗り換えそのまま予定通り進むことが出来、2台で来た恩恵がありました。エアコンの効く4WDを2台も手配できたHuMA調整員の手腕にあらためて感激を覚えました。そのうちの一台は、Ormoc市長の兄弟が所有する車だそうです。

本日の活動場所はMeridaの村の中でも内陸部にある地域で、人口1164人(男性650人・女性514人)、5歳未満98人、被災世帯346で、家屋の40.5%が全壊 しています。4WDでぎりぎりのところまで行ったのち、ハバルハバル(オートバイ)をチャーターし、荷物はバイクで、スタッフは徒歩で2kmの山道を歩く予定でしたので、その覚悟で荷造りをしておりました。しかし運転手が頑張ってくれ、途中100m程歩きましたが最後まで4WDで到達することが出来ました。

RHUの看護師によると、Canbantug村へは毎月第2月曜日にRHU public healthの看護師や助産師など4-5人で予防接種拡大計画や妊婦に対して相談などアウトリーチを行っており、発災後は最後は11月23日に保健省 Department of Health(DOH)ダバオチームが一度支援に入ったそうです。

まずは診療場所の立ち上げを行いました。本日出発したHuMA看護師たちが週末の間にきちんと薬品や他物品を整理してくれていたので、スムーズに準備が出来ました。診療も、受付・薬局・通訳・写真および動画撮影などは、積極的にRHUの看護師とHuMA現地スタッフである通訳・運転手が協力してくれ、お陰で医師2人だけでもいつものように活動が順調に進み、多くの方に医療を届けることが出来ました。昼休みも暑くてうだる暇もなく、子どもたちと一緒に遊びまわり交流を深めてきました。

診療後はRHUのMunicipal Health Officer Solana医師に診療概要の報告に行きましたが、 今後のHuMA活動地のアクセス情報を入手も行い、あわせて地域の医療ニーズについて確認しました。10月に検査機器が壊れて以来、妊婦健診や日常診療に影響が出ており、今、一番の問題となっているようです。HuMAが協力できれば現地にとって有用と思われたので、検討します。

その後はホテルに戻って本日の活動をまとめました。我々の活動報告は、毎日、Merida RHUのMunicipal Health Officer Solana医師に行い、医師がWHOにそれを共有するというのが流れですが、たまたまWHO担当官が同じホテルにいるため、ホテルで確実に、直接報告することにしております。

チーム2名、体調は良好です。明日も頑張ります。

はじまりは医師1名が薬局や撮影を担当
もう一人の医師が診療を行っていましたが・・・人が多くなったので二診体制になりました

【診療報告】
4WDも途中までしか行けずトレッキング2kmが必要とふれこみのCanbantug村に向かった。今回のピックアップバンはさすがの4WDで、悪路にも負けず目的地まで我々を運んでくれた。本日はHuMAメンバーは医師2名のみで、RHU看護師はワクチン接種を行っていた。当初は一診で開始し、医師1名が診療、もう一人の医師が薬局と撮影を担当したが、受診者の列が長くなったためRHU看護師に助けを求め、HuMAの通訳と看護師1名が医療通訳を、もう一人の看護師が薬局を担ってくれた。我々の運転手は丁寧に写真、動画を撮影してくれた。

Canbantug村での受診者は 66人で男性は18人(27.3%)、女性48人(72.7%)と女性の方が多くみられた。 年齢は小児(0-15歳)が29人(43.9%)、生産年齢(16-59歳)は28人(42.4%)、高齢者(60歳以上)は9人(13.6%)であった。他の村と比べると、高齢者の受診は少なかった。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が22例(33.3%)に認められた。2例が抗生物質の投与を必要とした。残りの20例は咳や風邪で軽症が多かった。皮膚疾患が多く、アレルギー、創傷であった。1例で処置を必要としたが、外用薬、内服薬処方ですむ症例がほとんどであった。特殊な症例は認めなかった。

悪路で診療開始が遅くなり、Healthのクラスターミーティングがあると聞き診療を早めに切り上げたことと、HuMAの人員が少なかったため診療人数は伸びなかった。

待ち時間の間に15歳以下には身長、体重、左上腕囲、さらに12ヶ月以下には頭囲を測定して、子供の栄養、発達のモニタリングをした。結果は後日報告する。

このCanbantug村から毎日RHUに通勤している看護師がいるそうです!