お知らせ

2015バヌアツ共和国サイクロンパム被災者医療支援 2015年4月9日

2015年4月9日・バヌアツEfate島Paunangisu, Takara, Port Vila

【本日の活動概要】
診療部隊(Paunangisu, Takara A village, Takara B village)、公衆衛生/ER部隊(Port Vila)に分かれて活動した。

【診療組】
診療部隊4人は、本日も元気に積極的な巡回診療を展開した。以前一次隊が足しげく水の配給に赴いていたTakara村(この村はさらに地域によりA, Bに分けられている)に行くことになり、朝Paunangisu health centerに立ち寄ったところ、ぜひ見てほしいという外傷の患者がいるということで診察した。足のかなりひどい蜂窩織炎と皮下膿瘍で、切開排膿等の処置を行った。その後まずTakara A村に行き、集会場のようなところに診療所を開設した。今日はたまたま乳幼児の健診があるということで、たくさん集まった大人と子どものうち体調の悪い方や、健康相談に対応した。ここでは22名を診療したが内訳は上気道感染が多く、他に下痢や中耳炎などがみられた。診療終了後はいつものように水を配給した。

午後はTakara B村に行き、海にほど近い開放感あふれる東屋に診療所を作った。バヌアツの村人は、我々が診療所を設営しようとする時にはいつも手伝ってくれるのでとても助かる。ここでも多くの患者が診察や健康チェックに訪れ、大賑わいであった。待合ではHuMAが持参したIEC packageを村人が熱心に読む姿が普通にみられるようになった。43名を診療し、内訳では他に比べて虫歯が多く、歯磨き指導を行うとともに3名をVila Central Hospital(VCH)の歯科にreferした。 このように様々な村の様々な場所で、少人数で速やかに診療所を開設し医療を提供出来るのが、HuMAの最大の強みであり原点である。

屋根が飛んでしまった場所で問診、診察、相談の様子
風が気持ちいい中での診療待ち合いでパンフレットが人気です

【公衆衛生/ER組】
朝9時に保健クラスター会議に出席。軽度の下痢症がTanna島で拡大しており、安全な水へのアクセス確保と衛生面での予防啓発が重要であり、各パートナーにも協力要請があった。Information Education Communication(IEC) working groupからも、保健省としてコミュニティーに共有するべき主要保健メッセージのリストが完成したこと、これに基づいてモバイルテキストを通した下痢予防・衛生面での啓発情報の配信を継続している旨報告あり。また、HuMAが1000部の保健教育テキスト・IEC packageを保健省に寄付する事について、WHOの保健コミュニケーション担当者が触れ、感謝の意が示された。HuMA医師から、10日に北Efateの4-5小学校を巡回し、IEC packageに基づき、保健省作成の主要保健メッセージの配信をする予定であることを報告した。リプロダクティブ・ヘルス WG及び保健省の保健人材調整担当者から、Tannaで産科関連の医療アクセスの確保が喫緊の課題であることが改めて示され、WHOのFMTコーディネーターから、HuMAから1名の産科医と看護師が明日にも派遣される事が報告された。

保健クラスター会議後、WHO保健コミュニケーション担当者および現地技術顧問と具体的なIEC packageの分配方法について協議。HuMAから一度保健省に寄付した後、HuMAは北Efateを中心に配布、来週以降IEC WGがリードする形で他の地域で活動するNGOなどとも連携して、IEC packageの配布・地域リーダーに対して使い方の研修を実施することとなった。

10日の北Efateの小学校への巡回については、教育省の健康教育担当者及びShefa教育事務所担当者とスケジュール・ロジ面を電話で調整した。また、WHO現地技術顧問から保健省作成の主要保健メッセージの冊子を150部貰い受け、IEC packageとセットで配布する調整を行った。

11時半より、Butterfly Trust(MALAMPAを中心に活動するNZの慈善団体)とIEC packageの使い方、配布方法について協議。HuMAの活動終了後に継続的に健康教育を実施する担い手の1つとして、HuMAと連携していけることを確認。

13時半より、保健省のEfate島担当者及びHealth planning officer Viran氏とHuMAの中長期的な復興支援の可能性について協議。Viran氏が復興支援計画を現在作成中であり、週明けにも発表されるとのことで、その一部をHuMAが担ってはどうかという提案があった。医療人材の育成・派遣の点では、特に医師・薬剤師・助産師が不足しており、また現任看護師達に対して救急医療や災害医療研修の実施も必要とのことであった。また、災害で破損した地方の医療施設(ヘルスセンター・ディスペンサリー)の修繕支援、離島巡回医療の支援等についても、協力要請があった。今回のHuMA派遣終了後、具体的な協力領域を保健省側とHuMA理事で調整する予定となった。

また、Health Cluster Meeting でHuMAにERドクターが2人いることを伝えた際、VCHのERサポートの依頼があり、VCHのERドクターGrahamを紹介され、VCHへ行き面会した。ER診療のサポートが可能かを確認し、現在オーストラリアからサイクロン後医師が1人きているが、明日帰国しGraham一人になるため、手伝ってほしいとのことであったため、本日より来週火曜日までER診療をサポートすることとなった。PM1時より5時までVCHのER診療に医師1人が参加。病棟からの派遣医師とオーストラリアからの医師で診療を進めていて、そのサポートを行った。普段午前中と夕方は患者が多く、日中は落ちついているとのことで、本日日中は急性心筋梗塞、胸膜炎、関節炎など5人の患者がみられた。カテーテル治療ができないため、急性心筋梗塞に対しては薬剤による加療、感染症に対しては抗生剤加療を行っていた。明日は患者の多い午前と夕方も診療に参加する予定となった。

VCHのERドクターと

活動終了後はPort Vilaに戻り、最後の派遣メンバーとして到着した産科医と合流し、二・三次隊全員でミーティングを行った。明日は巡回診療・公衆衛生・VCHのER・Tanna産科診療の4つに分かれての複雑な活動になるため、役割分担やタイムスケジュールを入念に確認した。何よりバヌアツの人々の笑顔のため、また国際支援団体としてのプレゼンスを確立するため、HuMAは最後まで頑張ります!