お知らせ

2015バヌアツ共和国サイクロンパム被災者医療支援 2015年4月7日

2015年4月7日・バヌアツEfate島Port Vila, Paunangisu, Siviri

【本日の活動概要】
本日は連休明けの平日ということもあり、診療部隊、公衆衛生部隊に分かれて活動した。

【診療組】
午前中はPaunangis health centerにて、また午後はSiviri村にて診療活動を行った。

朝早くにPort Vilaにて薬品を受け取る必要があった関係で到着が遅れたため、集まった患者の処置の一部は既に終了していた。急ぎHuMAの診療スペースを設営し、医師2名の2診で開始した。四肢の皮膚外傷の患者が多く、一次隊の処置後、再診で来た方もいた。次に急性上気道炎と筋骨格系の痛みを訴える患者が多くあった。下肢瘢痕拘縮の女児1名をVila Central Hospitalにreferした。途中、遠方のEpao村から乳幼児健診の団体が訪れ、気になる症状の診察を求めて多くの親子がHuMA診察室に並んだ。待合室の子どもたちには現地語の健康教育テキストであるInformation Education Communication (IEC) packageを読んでもらったり風船をあげたりして、HuMAらしい交流を図った。

IEC package表紙一部乳児健診でもIECを回覧

午後は、Paunangisu health centerの要望もあり昨日イースター祭に参加したSiviri村に巡回診療に赴いた。診療場所は現地のAid Postで、きれいな建物であったが内部はかなり蒸し暑く、village health workerの補助と共に多数の患者さんを診察した。ここでの疾病構造もPaunangisu地区と同様であった。発熱が5日続くマラリア疑いの男児に対し迅速検査を実施したが、幸い陰性であった。診療終了後、いつものように持参した水を配給し、本日の活動を終えた。

==============

【公衆衛生組】
Oxfam Vanuatu Office, 現地災害対策本部, 保健省/WHO, 教育省, SHEFA Health Office, 印刷店にて、会議出席や物品供与、長期的な支援について打ち合わせを行った。

朝7時にNGO代表会議(Oxfam Vanuatu Office)に初出席。Oxfam, Save the Children, ADRA, Butterfly Trust, The New Zealand Armyなどが参加。各NGOが持っている収集情報の共有や活動の調整が中心だが、中長期的なPost Disaster Needs Assessment(世界銀行・UNDPリード)が現在進行中とのことで、インプットがあれば送るようにとのアナウンスがOxfamからあった。会議後、Butterfly Trust(マレクラ・トンゴアで医療・予防活動中のNGO)の Colbert氏がHuMAと同様にIEC packageを使い地域で健康教育を実施中とのことで、実施方法などの情報共有や連携の可能性について打診があった。また、村のボランティアヘルスワーカーの能力強化やエイドポスト、被災した学校修復を担当している、Save the Children代表のSkillow氏とも学校や村での健康教育について意見交換し、学校ではSave the Childrenは健康教育を実施していないことを再度確認した上で、HuMAがNorth Efate島の一部の小学校での健康教育を担うなど連携可能である点を説明した。

その後他のクラスター会議情報などの情報収集のため、現地災害対策本部 Vanuatu National Disaster Management Office (NDMO)に出向く。特段新しい情報無し。災害初期の混乱が伺える状態であった。

9時より保健クラスター会議。医療施設の修復アセスメント、蚊帳の配布、栄養改善、健康教育を含む公衆衛生、医療資材・医薬品ロジ、FMT、保健コミュニケーション戦略、WASHなどについてアップデートがあった。WHOからは、4月末までに50%の医療チームが活動を終了する予定であり、一部中長期的に協力を検討しているNGOもいるため、派遣終了日を報告書に必ず記載するよう依頼があった。また、保健省・WHOが作成した優先度の高い主要な保健情報のリスト(IEC packageに含まれる情報に準拠)について説明があり、ラジオやモバイルを通して配布しているものの、NGOなどのパートナーも情報拡散に協力して欲しいとの要請があった。

10時よりWHOのIna氏及び保健省のHealth planning officerと巡回診療先について、再度調整をした。Nguna島には既に他のFMTが診療を行ったとの事で、他島での巡回診療が出来ないかと提案あり。また、近日中に来バヌアツ予定の三次隊産科医の派遣先として、ニーズの高い他島の病院などが提案として挙がった。

11時より、JICAバヌアツ支所所長と保健・ボランティア担当調整員と面談。今回、アジアからの人的貢献は日本のみであったこと、日本国際緊急援助隊(JDR)後にHuMAが入ったことで、継ぎ目なく日本の人材が貢献できたことを評価。また、青年海外協力隊との効果的な連携が、現地のニーズに合った支援となっていると共に、ボランティアのモチベーションアップにもつながっているとのことで、引き続き連携して活動していけるよう依頼があった。その後、Nguna島で4/1-6の期間で介入を行っていたLDS Churchの代表と電話にて会話。現Paunangisuの看護師との接触は無かった模様。

13時半より、教育省で学校における健康教育に関する会議に出席。Gambeta教育課長、Ilaisa健康教育担当官、斉藤隊員(健康教育担当)、Rorry健康増進課長(公衆衛生暫定部長)、Tasserieプライマリー・ヘルス・ケア担当官が出席。North Efateの学校での健康教育について協力できる可能性について協議。Manua, Takara, Matarisu, Ekipe, Ekonakの5つの小学校で10日金曜日にIEC packageを使った健康教育が出来ないかとの打診あり。また、学校の水・衛生・トイレの環境改善、中長期的に健康的な食事のための畑(野菜の種の提供)などはできないかとの相談もあった。

HuMAは医療活動を行う傍ら、復興に向けて現地で必要とされる物品などの贈与を検討していたが、health centerや保健省、WHOからの要望もあり、印刷会社に見積もりを依頼し、検討を積み重ねた結果、HuMAからIEC package1000部の供与を決定とした。保健省健康増進課で、IEC packageを増刷する場合のロゴの扱いについて、協議。最後のページにHuMAとJPFのロゴを入れる形での増刷が可能とのこと。health centerからは健康増進課からも今後の活動で使うため、一部分配できないかとの希望がある。

その後診療組と会し、保健省のエファテ島担当者と会食。空気の澄んだ南半球の空で見る名前もしらない星々、天の川はとても美しかった。