お知らせ

2017ミャンマー避難民本隊人道医療支援 三次隊 2018年1月5日

活動日:2018年1月5日
活動場所:DCHT仮診療所 (Hakimpara)、建設中のDCHTヘルスポスト、 Temporary Medical Centre Hakimpara、 CIMCH Health Centre Medical Camp、 DCHTモバイルクリニック(Tanjimarkhola)

【本日の活動概要】
建築状況視察、複数の医療施設訪問インタビュー

朝、いつものHakimpara Camp地のDCHT (Dhaka Community Hospital Trust) 仮診療所に着くと、患者さんがとても少なく、聞くと、朝方寒く外に出たくないということと、さらに今日は金曜で礼拝の日にあたるため、みな心を整えお祈りの準備をしているのだと教えてくれました。

丘の上に登り建設中のDCHTヘルスポストを視察すると、床にはレンガが敷かれ、壁にはトタンがはめられ、屋根もだいぶ出来上がってきました。現場監督に医療廃棄物の処理について確認すると、バングラデシュ政府のcode of conductに則り、建物の裏に穴を掘り、そこに落とし込み、カバーをかぶせ、焼却はしないとのことでした。

現場の医療状況の把握に努め連携体制作りに協力するため、近隣の医療施設を訪問しインタビューの予定です。DCHT診療所の近辺は、医療施設が狭い区画に集中しており、DCHTから徒歩1分以内に6施設はあります。訪問前にPWJスタッフと詰めた質問項目は、所属組織、支援組織、開始日、サービス内容、人員、体制、患者数、年齢疾患分布、他エリアへのモバイル実施、紹介先、緊急対応、outreachの有無、近隣との連携状況、といったところです。

10時半ごろ、DCHT仮診療所と軒を連ねるお隣の簡易テント、政府系のTemporary Medical Centre Hakimpara (Ukhiya Upazila Health Complex, Cox’s Bazar) を訪ねました。主に答えてくれた代表的な人物は Dr. Abu NaserでUNICEFからリクルートされた方です。この診療テントは政府の家族福祉保健省の運営で、9月25日にここで診療を開始し、難民が戻るまで続ける予定です。9時から15時の外来のみで患者は1日200-250人ほど。普段から何かあればDCHTと協力し合い、医療支援を行っています。 最も多いのは呼吸器感染。ジブテリア疑いはこの1ヶ月半で30ケースほどでしたが2週間前から落ち着き始めたそうです。 ジフテリアワクチン接種に関しては、ワクチン接種カードを接種後に渡しているが、人々に捨てないよう指導するのは大変とのことです。家庭調査や衛生指導、水まわり状況などを毎日行っており、これらのレポートをfield managerに上げると政府、WHO、UNICEFに共有されるそうです。 彼ら政府系のヘルスワーカーの家庭訪問に一度同行させて頂きたいと頼みましたが、このUkhiya地区を統括する保健省のトップに許可をもらうように言われました。トップへの訪問を計画します。

11時半ごろ、CIMCH Health Centre Medical Campを訪問。CIMCHとはChittagong International Medical College Hospitalの略で、私立医科大学病院の運営する診療所です。スタッフは医師2人、薬局2人、看護師1人、ボランティアの受付2人の全部で7人。全く休みなく9時から16時で金曜も混雑しています。患者は毎日150から200人。呼吸器感染、下痢症、皮膚疾患が目立ち、男性より女性の方が多いようです。他にも3つのキャンプで運営していますが、outreachは行っていないとのことです。

12時半にDCHTのモバイルクリニック、Hakimparaを離れTanjimarkhola(タンジマルコラ) Block C-4という地区にて合流しました。車から降りた途端に異様な臭いが鼻をつきました。現地には慣れているはずの運転手が緊張した面持ちで「ここではマスクをしろ」と言います。キャンプ全体に張り巡らされた溝には汚水がそのまま流れ、water sanitationのあまりのひどさには百戦錬磨のHuMA医師もショックを隠せません。ここには援助の手が届いていないのか、全員の戸惑いが見られました。井戸はほぼ10mおきにありますが垂れ流し具合がひどく、下水管が設置された時もあったが、すぐ詰まるので住民が勝手にはずしてしまったとのことです。各家庭の玄関前にある溝を越えるための渡し板には、便座のように穴があいた板を利用しており、つまりそこで用を足しているわけです。金曜なので礼拝の日。モスクからは大音量のお祈りが流れていました。

明日は残りの医療施設を訪問インタビューの予定です。

左端がDCHT仮診療所モバイルに合流Tasnimarkhola地区
モバイルに合流Tasnimarkhola地区Tasnimarkhola地区で住民にインタビュー