支援活動 2005パキスタン地震緊急医療支援

2005年10月8日に発生したパキスタン北部を震源とするマグニチュード7.6の地震においては、5万人を超える死者、9万人を超える負傷者が確認されています。この地震に対して、パキスタン国内や世界各国から救援医療チームが各地に展開し援助活動を行っていますが、被災地域が広範囲に点在しており、十分地域住民に届いていないのが現状です。
日本国政府は国際緊急援助隊医療チームを10月10日より最も被害の大きかった地域の一つであるバタグラムに派遣して、被災者の診療に当たっていますが、10月末で緊急派遣を終わり撤収します。しかし、現地はこれから気温が下がり、テント生活では上気道感染症や肺炎、下痢症などが多発してくることが十分に予測され、医療支援のニーズは今後もっと高くなると思われます。
NPO災害人道医療支援会(HuMA)は、国際緊急援助隊医療チームの活動を引き継いで地元の復興への橋渡し役を行なうため、パキスタン北部のバタグラムで数人の医師と看護師、コーディネータとを派遣し医療支援活動を行うことに致しました。日本人医療スタッフのきめ細やかな医療サービスと温かいハートで現地の方々を支援したいと存じます。またできる限り現地の医療スタッフと協働し、できるだけはやく地元の方々ご自身で以前と同じ医療ができるようにお手伝いしたいと願っています。
※多くの方から支援募金をいただきました。11月27日をもって、本事業は活動を終了致しました。
皆様のご協力に感謝します。

最新活動状況

2005年10月パキスタン北部のバタグラムで医療支援活動を行ないました。
10月27日 ・冨岡医師と松下調整員を派遣
10月28日 ・冨岡・松下 イスラマバード到着
・現地旅行会社、通訳の手配
・夕方 バタグラム到着し、国際緊急援助隊と合流
・杉本医師を派遣
10月29日 ・村上里奈(看護師:HuMA)、谷本宏幸(医療調整員:兵庫県災害医療C)を派遣
・杉本 カラチ到着
・村上・谷本 カラチに到着し杉本医師と合流
10月30日 ・杉本・村上・谷本 イスラマバード到着
・国際緊急援助隊医療チーム 引渡し式(写真)
・現地保健省管轄のLocal Government機関、MS(=Medical Service Intelligence)をに対して正式に機材供与しHuMAを中心としたチームにて機材を継続使用の予定
国際緊急援助隊医療チーム 引渡し式
10月31日 ・休診 今後の診療計画立案
・国際緊急援助隊医療チームはバタグラムからイスラマバードへ移動
11月1日 ・診療再開(写真)
・中尾博之(医師)、矢野和美(医師)、山崎達枝(看護師)、日野文子(看護師:兵庫災害医療C)、中村賢二(医療調整員:青年海外協力隊パキスタン、作業療法士)が派遣されました。
診療再開
11月2日 ・冨岡医師と松下調整員が帰国しました。
・中尾医師ほか4名は、日本の自衛隊の協力のもとヘリコプターにてイスラマバードからバタグラムに入りました。(写真)
ヘリコプターにてイスラマバードからバタグラムへ
11月3日 ・バタグラムにて診療
・HuMAが国際緊急援助隊医療チームからの再診患者担当、SIMが新患患者担当
・HuMA20名を診療:外傷の処置が多い
・SIM70-80名を診療
バタグラムにて診療
11月4日 ・休診
・杉本医師は自衛隊ヘリでイスラマバードまで移送した。その後帰国予定
11月5日 ・バタグラムにて診療
・HuMAもSIMと共に新患患者も診察
・HuMAとしては27人診療
・上気道炎など多い
バタグラムにて診療
11月6日 ・21名を診療
11月7日 ・27名を診療
11月8日 ・19名を診療
11月9日 ・休診
11月10日 ・63名を診療
・バタグラムにて活動中のスタッフ宿営風景
11月11日 ・23名を診療
11月12日 ・休診
11月13日 ・休診
・冨岡 正雄(医師:兵庫県災害医療C)、林 晴実(看護師:HuMA)、吉岡 留美(看護師:HuMA)、櫻井 美樹 (医師:ISAPH)、田中 準一(看護師:ISAPH)、山崎 裕章(臨床検査技師:ISAPH)が派遣されました。11月14日に現地到着
11月14日 ・15名を診療
・中尾 博之(医師:HuMA)、谷本 宏幸(医療調整員:兵庫県災害医療C)
日野 文子(看護師:兵庫県災害医療C) が帰国
11月15日 ・57名を診療
11月16日 ・女性患者さんはウルドゥ語はほとんど話せず、パシュトゥ語を話す方が多い。そのため診療中は、英語又は日本語⇒ウルドゥ語⇒パシュトゥ語と2重、3重の通訳が必要とされていたため、昨日このパシュトゥ語が話せる通訳を短期雇用した。
11月18日 ・聖マリア病院から浦部医師、小石原助産師 2名を派遣しイスラマバードに到着した。
11月20日 ・山崎看護師、村上看護師、中村調整員 3名がイスラマバードを出発した。
11月21日 ・山崎 達枝(看護師:HuMA)
・村上 里奈(看護師:HuMA)、中村 賢二(医療調整員) が帰国
・WHOと協議し、HuMAが水容器と石鹸を提供し、UNICEFが水浄化錠剤を提供してAllai地区というところに配布しました。
・IOMのトラックが無償で運んでくれました(写真)。その管理と配布の責任はパキスタン陸軍が行いました。国連機関との連携というのに力を入れ事業を進めています。
隊員が山登り
11月22日 ・ HuMAの診療サイト周辺には隊員が山登りをして水容器と石鹸を配りました。 隊員が山登り
11月23日 ・瀬尾医師を派遣
・ テント1つ1つを巡回し水容器と石鹸の配布を行いました。(写真)
テント1つ1つを巡回し水容器と石鹸の配布
11月25日 ・矢野、吉岡、浦部、小石原、櫻井、田中、山崎、が帰国しました。
11月27日 ・瀬尾医師、林看護師 2名 が帰国しました。
・日本大使館,JICA事務所に活動報告書の提出し、活動終了の報告と活動中のいろいろな援助に対するお礼の挨拶をしてきました。
・今回のHuMAの活動に対しては共に高い評価を頂きました。
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