第四次本隊 報告書
2013年12月24日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のMahalit村
【本日の活動概要】
12月24日、12月25日は祝日のためRural Health Unit(RHU)もお休みです。フィリピンの方はクリスマスをとても大切にされるので、HuMAが診療することによって人々の楽しみを邪魔することがあってはいけないと思っています。地元に迷惑をかけずに、地元の役に立つことを見つけて活動したいと思い、我々にできることはないかとRHUのMunicipal Health Officer Solana医師と相談する中で、Meridaの子供たちにクリスマスパーティーをして楽しく過ごしてもらうことを考えました。
Meridaは未だ停電しているため、例年のようにクリスマスのイルミネーションはなく、クリスマスソングを聴いたり歌ったり踊ったりということができないそうです。また冷蔵庫が稼働していないため、冷たいジュースを飲んだり、家で料理もままならないそうです。そんな中で「HuMAがクリスマスパーティーをしてあげることは社会心理的にも良いと思う」とSolana医師が仰ってくれました。
元々Meridaの助産師が自分の村で子供達を集めてお昼にパーティをする予定であり、そこに参加してはと提案を頂きました。Solana医師が選んでくれたMahalit村は人口1366人で助産師が居住しており、昼に子供たちをBarangay Hall(Barangayとは村の意)に集めてクリスマスパーティーを行うことになりました。 この話は二次隊の時に出てきましたが、早くからプログラム企画や食糧の手配などを行い、最終的に四次隊に引き継ぎ、じっくりと時間をかけて準備をしてきました。
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前日の準備の様子。 パーティ会場のステージ上にあった、 台風で倒れたバスケットゴールを 村人と共に撤去 | 住民とともに会場設営。 この一体感が心地よい |
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開始一時間前にもかかわらず 待ちきれない子どもたち | ツリーの装飾に夢中の子どもたちと 笑顔のお母さんたち |
本日はケーキ、レチョン(豚の丸焼き)、サンドイッチ、ソーセージ、氷などを調達してからMahalit村へ向かいました。13時開始の予定でしたが雨模様にもかかわらず開始30分前には既に180人の子供達が集合していました。
助産師主導で始まった椅子取りゲームやお花摘みゲームに続き、ジュースと食事の時間にはHuMAメンバーが汗だくでサーブ。途中で紙皿や紙コップが尽きてしまいましたが「みんな!おうちから取ってきて」と頼んだらすぐに取りに戻り、また改めて列を作ったりと大変にお行儀の良い子供たちでした。食事に続き、お絵描き、プレゼントくじ、お菓子配りなど、HuMAメンバーは時折本降りになる雨を気にする暇もなく必死に進めました。そして最後にHuMA医師のギターに合わせて皆がクリスマスソングを歌い、パーティを終えました。子供たちのパワーに圧倒されつつ大混乱のうちになんとか終了しましたが、しかし子供達が帰っていきようやく会場が静まった瞬間に、用意した200人分のケーキを出し忘れたことに気づきました。メンバーが8人も居て誰一人として気づかないのですから、よほど目の前の混乱状況に気を取られていたのでしょう。ケーキは村長をはじめ献身的に手伝ってくれたボランティアの皆さんに引き取って頂きました。 子供たちはこの日を輝く笑顔で楽しんでくれました。
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大人たちも気になりやってきます。 日本の運動会のようです | 用意されたツリーと子どもたち。 サンタ医師から開会の挨拶 |
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きちんと並んで、食事をもらう順番を待つ子どもたち。 とても素直 | 給仕をかってでてくれたお母さんたち。 保護者会のよう |
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村の人々が大勢集まってくれました | 子どもたちにジュースを注ぐ医師 |
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HuMA医師 and 調整員 on stage | この笑顔のために・・・ |
昨日の報告にもありますが、現在現地でのトップの問題といえば、水の衛生であります。Jerry Canという水容器に浄水錠剤を入れることが推奨されていますが全く足りておらず、そこでHuMAは皆様からの寄付を有効に使うべく、20リットルのJerry Canを1,000個、Merida地区の全22のバランガイへ供与する方向で動き始めました。通常は手配から輸送までに1週間以上かかり、しかも今はクリスマス休暇期間中ですが、最前を尽くしてきた結果、セブから調達する予定のJerry Can1,000個のトラック便が今夜の船に乗れそうだと連絡がありました。24日と25日はクリスマスのために、RHUやその向かいにあるMerida町役場も休みで建物が閉まっているはずなので、昼の間に町役場の1階入口にある警察署に相談に行った際「自分たちは24時間ここにいるから、いつでも届いた物を受け入れるし、荷物を取りに行く時に警察がエスコートしましょう」と言ってくれました。
実際Jerry Canを乗せたトラックは夜中の1時にOrmoc港に着き、そのままMerida町役場に向かうことになりました。警察車両は結局エスコートどころかタクシー代わりに我々を迎えに来てくれました。ホテルでクリスマスのカウントダウンをし、0時ちょうどにはオルモック湾に上がる盛大な花火を楽しんだあと、警察官のお出迎えを受けました。HuMAメンバー3人で警察車両に乗り込み1時前にはMerida町役場に着いたものの、トラックがなかなか到着しません。皆が仮眠を取っているシーンとした警察内にて3人でおしゃべりをしながら待つ事1時間以上、2時を回ってようやくトラックが到着し、大雨の中1,000個のJerry Canの荷下ろしが始まりました。仮眠を取っていた警察官達も手伝ってくれ、ずぶ濡れになりながら大荷物を運んでくれました。83ダースと4個をトラックから下ろすのに約1時間。3時15分にようやく町役場を出て帰路に着きました。
明日はMacario村でクリスマス会。お陰さまで大混乱の経験を踏んだので、明日は一同覚悟をもって臨めそうです。