第三次本隊 報告書
2013年12月21日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のBanabaye村
【本日の活動概要】
朝から大雨で、多少の不安を抱きながら本日の活動地Banabaye村に向かいました。Banabayeは人口1243人、295家屋中187家屋が台風により全壊でしたが、死者はおりませんでした。到着した頃には雨は止み、通常どおり屋外で地元看護師たちの受付、屋内で診療といった体制をとることができました。
本日は四次隊メンバーとして医師と看護師各1名が加わり、6人チームでの活動となりました。三次隊医師1名が明日帰路につくので、新メンバーに引き継ぎをしながらの診療となりました。
土曜日ということもあり、午前中で診療を終えるため50人までと制限をしていたのですが、村の人々の診療継続の希望が強く地元看護師たちからの依頼もあり、最終的に相談のうえ人数制限を解き、計58人の診療を行いました。制限を解いたために診察を受けることができた患者さんには“Thank you so much”と何度も何度も告げられ、その笑顔に心が熱くなり、私たち医療チームのニーズの大きさを感じました。
(動画がご覧になれますHuMA Facebook)
平時はこの村では医療活動は行われておらず、村民は皆、隣村に行かなければなりませんが歩いて行ける距離ではないそうです。今回ニーズの高いこの村で医療支援を行ったこと、特に週末に来訪したことに、地元看護師たちから深く感謝の意を伝えられました。
Barangay Hall (Barangayとは村の意)は屋根が台風で壊れたままになっており、中には支援物資がたくさん置かれていました。道中支援物資を手にして家に帰る人々の姿をみかけ、未だ残る台風の爪跡を感じました。
ホテルは停電もなくなり交通面も含め日々快適に過ごせておりますが、HuMAの活動日も残りわずかとなりました。明日三次隊の医師と調整員がレイテ島を発ち、いよいよ最終隊四次隊の活動が始まります。四次隊は医療活動だけでなく、撤収の準備に取りかかります。
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Banabaye村のヘルスセンター | 屋根と二階部分が飛ばされている |
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診察を待つ村の人々 | 抜けた天井と支援物資に囲まれての診察 |
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子どもの皮膚を丁寧に診察する | 到着早々、診察に熱の入る新メンバーの医師 |
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多くの子供が母親に連れられてやって来る | 常にチームで診療中も討議を行う |
【診療報告】
午前中のみの受付であったが受診希望者が58名来所し、断ることなく全員を診察した。男性が22人、女性36人と女性の割合が多少多かった。年齢は小児(0-15歳)が19人、生産年齢(16-59歳)は25人、高齢者(60歳以上)は14人(15.8%)であった。
既に災害医療としては亜急性期以降に入っており、外傷は成人の2名のみでどちらもひどい怪我ではなく、殆どは内因性疾患であった。倦怠感と触診上甲状腺腫を認めた中年女性1名を診察し、診療情報提供書を作成して後方医療機関へのreferとした。
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屋根が飛ばされた家々と建築資材 | 台風被害の様子 |