2013年12月4日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のLamanoc村
【本日の活動概要】
本日も朝はMerida Rural Health Unit(RHU)にて、Municipal Health Officer Solana医師に昨日の活動を報告しました。我々の活動を支援してくれるRHU看護師3名と予防接種のチーム共に出発し、活動場所であるLamanoc村に向かいました。
Lamanocは人口1962人(男性989人・女性973人)、5歳未満215人、被災者664人の村です。診療が始まって1時間後に、二次隊の新規メンバーである看護師1名と調整員1名が日本から無事到着し、診療に加わりました。
昼食後、午後の診療を開始。14時半には終了し、数名は薬局に向かい不足物品の補充を行い、残りのメンバーはMerida RHUに戻り本日の活動報告を行いました。Solana医師とは、地元の医療体制を踏まえたうえでHuMAの診療体制を話し合ったりなどしました。また、Merida 災害対策本部 Incident Command System(ICS)より、Merida全体の災害対策会議の情報を教えてくれることになりました。
本日もうだるような暑さで朦朧としますが、チームメンバー全員元気です。
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今日も暑い中大勢の人々が | 看護師も大忙し |
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子どももおとなしく診察を受けます | 注射、泣かないよ |
【診療報告】
Merida RHUがある場所からも近い、Lamanocという海岸沿いの村で巡回診療を行った。午前の診療中に新たに二次隊看護師1名と調整員1名が合流し、HuMAスタッフ計6名、RHUスタッフ計5名での活動となった。診療は風通しを考え建物の中ではなく玄関先の屋根のあるスペースで行うことにした。時間の変化とともに太陽の光が直接あたりそうになったが、村長がシーツで日除けカーテンを作ってくれた。今回もそのような住民の協力があり、スムーズに診療を行うことができた。
Lamanoc村での受診者は122人で男性は31人(25.4%)、女性91人(74.6%)と女性の方が多くみられた。 年齢は小児(0-15歳)が42人(34.4%)、生産年齢(16-59歳)は49人(40.2%)、高齢者(60歳以上)は31人(25.4%)であった。他の村と比べると、高齢者の受診が多い印象があった。
疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が65例(53.2%)に認められた。64例が咳や風邪で軽症が多かった。筋肉、関節の痛みでの受診は25例(20.5%)で、とくに腰痛や膝の痛みを訴える人が多く、鎮痛薬の処方を行った。下痢症は2例(1.6%)のみ認めたが、ひどい脱水症状を認める症例はなかった。頭痛は6例(4.9%)で、数か月前から認める慢性的なものが多かった。高血圧は5例(4.1%)認め、以前は内服していてが財政上困難となり継続を中止した人が多かった。外科的な傷病としては創感染が2例(1.6%)で、外科的処置を必要とするものは認めなかった。 しびれやふらつき、不眠を主訴に受診される患者や、翼状片があり目のかゆみを訴える患者も多く見られた。台風の影響による生活、環境の変化が関係していると思われた。
HuMA看護師が本日受付を手伝ってくれたRHU看護師らから話をしたところ、彼女らの家は今回診療を行ったところのすぐ近くだそうだが、台風で屋根が吹き飛んでしまい、今も電気も屋根もない状態で暮らしているとのことであった。いつも笑顔で診療を手伝ってくれる二人だが、改めて現地の人たちの生きる力強さを感じるとともに、彼女たちなしに診療はすすめられないため一緒に活動できることは光栄であり、感謝したい。
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みんな良い笑顔! | 本日もお疲れ様でした |
*一次隊の医師3名が無事日本に帰国しました。厳しい暑さの中、互いに気を使いあい助け合う理想的チームで、多くの子どもや妊婦、外傷患者を診察しました。初動調査隊が苦労してつけてくれた道を、一次隊は舗装にして、ロジスチックを固め、地域との信頼関係を作り、日課を作り、隊員の健康にも注意をはらい日々頑張りました。引き続き現地で活動するチームメンバーや、日本にて寄付やいろんな形でその活動を支えてくださる皆様とそれを支えていてくださるご家族の皆様、そしてOrmoc市の皆様の暖かい心に感謝致します。