お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年12月1日

2013年12月1日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のMacario村

【本日の活動概要】
1.保健省 Department of Health(DOH)Merida officeにて支援スタッフ(助産婦)と合流→移動、サイトへ
2.Macario村にて医療支援活動(午前、午後)→終了後DOH Merida officeへ
3.DOH Merida officeにて報告→移動、ホテルへ

朝の天気:晴れ  気温:90F
いつものように朝DOH Merida officeにて報告書と昨日のカルテ写しをChief OfficerであるMunicipal Health Officer Solana医師に提出後、支援スタッフの看護師1名と共に活動場所に向かいました。 現場に到着すると、テーブルおよび椅子、飲み物まで設置されていました。

9時20分頃医師2名態勢で診療開始。暑さと湿度は相変わらず厳しいですが、風通しの良い部屋で診察を行うことできたので救われました。本日は一次隊および二次隊の医師が4名いるのでいつもよりストレスなく診療ができます。今日も積極的にエコー適応症例を拾い上げて検査を計6例施行しました。そのうちの一人は両側胸水、腹水、右房圧の上昇を認めOrmocのDistrict Hospitalへ紹介しました。

午後は13時30分開始、16時過ぎたところで受付した人すべての診察が終了し、本日は診察総数222人でした。

DOH Merida officeに向かい16時30分に到着。Solana医師に今日の活動を報告しました。12月9日から13日までの間はHuMAメンバーの数が本隊入れ替わりなどで少なくなることを告げ、活動スケジュールを柔軟に調整することとしました。

明日、本隊は近郊の村に巡回診療の予定ですが、医師1名は午前中DOH Centerで内科診察をサポートします。第二次隊の医師1名と看護師1名は、本日日本より無事にセブ島に着きました。明日Ormoc市入りの予定です。

【診療報告】
本日の受診者は207人で男性は64人(30.9%)、女性143人(69.1%)と女性の方が多かった。いまのところどこのサイトでも女性の方が多い傾向がみられる。

年齢は小児(0-15歳)が41人(19.8%)、生産年齢(16-59歳)は75人(36.2%)、高齢者(60歳以上)は37人(17.9%)と高齢者が多かった。70歳以上の患者が18人(8.7%)みられた。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が85例(41.1%)に認められ、もっとも多い疾患であった。咳および風邪が全例で、軽度および重度の肺炎は認められなかった。下痢症は8例(3.9%)と少なく軽症が多かったが、1例で発熱、血性下痢を認めた。筋肉、関節の痛みでの受診は25例(12.1%)、頭痛は14例(6.8%)と鎮痛薬の処方が比較的多かった。外科的な傷病としては創感染が4例(1.9%)認められ、1例は膿瘍に対し穿刺吸引を行った。Vscan(超音波画像診断装置)を用いて経腹・経胸壁超音波検査を行った症例が6例認められた。1例は慢性腎不全の既往があり、台風で被災後十分に食事をとれない状態で、尿量減少と呼吸苦を主訴に受診された患者であった。超音波検査で胸腹水の貯留を指摘し、Ormoc Hospitalに紹介した。他の症例は良性疾患や治療を要さないものであった。超音波をする仕切りのあるスペースがなかったため、移動用のバンの中で行った。

高血圧治療中の内服薬の処方希望が9例認められた。収縮期血圧が200mmHgを超える症例が3例認められた。喘息は4例(1.9%)見られた。 虫歯での受診が4例、扁桃炎が4例、中耳炎4例、目の症状が23例認められた。 虫歯で受診した患者に、歯磨きをしているか?と尋ねると、みなしていると答えるが、詳しく聞きだすと、「ときどき・・」や「1日1回くらい」などという返事が返ってくることが多い。虫歯を訴える患者には歯ブラシを毎食後するよう指導した。 今日は産婦人科医がいると伝わっていたのか、不妊相談をされることが2例あった。

MacarioのBarangay Hall(Barangayは村の意)の1階で診療活動を行ったが、となりの広場でダバオDOHチームが小児にははしかのワクチンを、大人には破傷風ワクチンの接種を行っていた。Barangay Hallは2階建てで、2階の屋根は吹き飛んでいた。

今日は3人の地元の看護師が診療を手伝ってくれた。 我々がサイトに到着すると、そのうちの一人とダバオDOHチームが先に到着し、すでに準備万端で受付前にずらりと並んだ椅子に腰かけ患者が待ち構えていた。我々の巡回診療が心待ちにされていると実感した一コマであった。

今日も多くの患者が待っていてくれたホテルマネージャーとスタッフの方と。 フェリーのチケットの手配や水の調達など我々にとって非常に頼りになる存在。医療支援活動は地元の方々に支えられていると言っても過言ではない