お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年11月30日

2013年11月30日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のCan-Unzo村

【本日の活動概要】
1.保健省 Department of Health(DOH)Merida offceにて支援スタッフ(助産婦)と合流→移動、サイトへ
2.Can-Unzo村にて医療支援活動(午前、午後)→終了後Merida officeへ
3.DOH Merida offceにて報告→移動、ホテルへ
4.第二次隊医師が朝8時ごろにOrmoc港到着。調整員が出迎えてホテルでチェックイン後活動場所へ移動

いつものように朝DOH Merida officeにて報告書と昨日のカルテ写しをChief OfficerであるMunicipal Health Officer Solana医師に提出後、支援スタッフの助産婦と共に活動場所に向かいました。

現場に到着すると、診療場所、薬局は既に設定されており、すぐに医師2名態勢で診療を始めることが出来ました。もっとも多い主訴は咳でしたが、診察時に咳を一つもしない患者も多かったです。連日DOHに報告する「上位5種類の疾患群」のうちもっとも多いのは呼吸器系の疾患ですが、本日のサイトで比較的多く見られたのは消化器系の疾患でした。午前は12時10分に終了し総受付数は107人でした。

午後は13時30分開始。腹部の触診で腫瘍を疑われた患者に、V Scan(GE社)で超音波検査を実施しました。すると膵体部~尾部にかけて不均一なエコー像が疑われ、ご本人とDOHのスタッフに腹腔内臓器の精査の必要性を説明しました。超音波検査の簡便性と有用性を改めて実感しました。このような超音波検査を活用した診察をどんどんやっていきたいものです。 午後4時20分に診察終了とし、1日の総受付数は163人でした。

レイテ島は30℃を超える暑さです。もちろん、クーラーはなく、そんな中HuMAのメンバーは汗だくで診療を行いました。 診療を待つ人々、医師たちに扇子で風を送ってくれる現地の人、医療の原点を垣間見た感じがしました。

DOH Merida officeに向かい16時40分に到着。Solana医師に本日到着した二次隊の医師を紹介し、今日の活動を報告しました。その際、来週のDOH Merida health centerでの内科診察に是非1名派遣してくれないかと打診されました。明日も近くの村で支援活動を行います。

超音波検査実施中今日も地元スタッフのサポートに感謝

【診療報告】
本日の受診者は163人で男性は48人(29.4%)、女性115人(70.5%)と女性の方が多かった。

年齢は小児(0-15歳)が51人(31.3%)、生産年齢(16-59歳)は75人(46.0%)、高齢者(60歳以上)は34人(20.8%)と高齢者が多かった。70歳以上が13人と高齢者が多く、なんと91歳の女性の受診もあった。杖は付いていたが、自力でしっかりと歩いておられた。妊婦は1人、授乳婦は0人であった。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症(ARI)が76例(46.6%)に認められ、もっとも多い疾患であった。咳や風邪が多く、軽度の肺炎が2例が認められ、抗菌薬を処方した。下痢症は5例(3.1%)と少なく軽症が多かった。筋肉、関節の痛みでの受診は34例(20.9%)とARIについで多かった。外科的な傷病が3例(1.8%)認められたが、処置を必要とするものはいなかった。眼疾患が17例、歯痛が9例みられた。眼疾患については、災害後の粉塵と木切れや廃材を燃やすための煙が影響している可能性が高いと思われた。咽頭の診察のため、口を開けてもらうと虫歯で歯が半分くらい溶けているこどもも多く、歯磨きをするよう指導した。

高血圧の内服薬の処方希望が8例認められたが、測定時に血圧が落ち着いている患者の場合は処方せず自然経過観察とした。喘息は7例(4.3%)みられた。明らかな喘鳴が聞こえる者は少なく、眼疾患と同様粉塵や煙の影響もあるのではないかと思われた。

昨日日本からフィリピンCebu市に到着した第二次隊の医師1名が、本日途中から診察に加わった。今朝は3時半起きでセブ島から凍えるフェリーで来て、そのまま休憩もなく診察に加わった。これから数日間医師が3名になるため、活動の内容も少し検討が必要と思われる。

今日もLibas村での診察(11月27日)を手伝ってくれた助産婦と看護師が同行してくれた。おなじみの顔になりつつあり、心強い。