お知らせ

2013フィリピン台風ハイエン被災者医療支援 2013年11月27日

2013年11月27日・フィリピンレイテ島Merida町近郊のLibas村

【本日の活動概要】
早朝にホテルを出発し、Merida町の保健省 Department of Health(DOH)オフィスに8時には到着しました。まず、Municipal Health Officerに挨拶をして、本日我々の活動を支援してくれる看護師2名、助産婦1名を紹介してもらいました。彼女らと共にオフィスから車で約15分のところにあるLibas村に向かいました。

本日の活動場所であるLibas村のBarangay Hall(Barangayは村の意)は、部屋は2つでスペースは充分でしたが、風の通りが悪くゴミも山積みされていたので現地スタッフにゴミの撤収をお願いしました。結局、診療場所は隣接するホールで行うこととしました。診療部屋設定で常に念頭においているのは広さよりも風通しです。村の人々は既に30人ほど列をなしていました。

9時過ぎには診療を開始しましたが、風は通るが案の定、人の熱気で室内の温度も汗が噴き出るほど上昇しました。この時に活躍してくれるのが、我々が契約している運転手(兼通訳兼受付)です。いつも扇子で診療スペースに風をおこしてくれます。

午前の診療は11時40分頃に終了し、 昼食をとった後、13時20分に診療を再開しました。部屋の湿度、熱気は相当なものでした。それぞれ途中で30分ほどの休憩をはさみながら16時10分、無事に診察を終えました。受付総数は220名で診察できなかった人々はおりませんでしたが、最後の方は薬の在庫が切れたものが出てきたため、処方できなかった人々もいました。

ちなみに、ほぼビサヤノ語が通じますが、熱を意味する「カリントゥーラ」だけは通じず、タガログ語の「lagnat」が通じました。

Merida町のDOHオフィスを訪問し、Municipal Health Officerに今日の活動を報告しました。報告内容のポイントは、診療実績のうちどのような疾患が多かったのか、上位5種類の疾患群をメモ紙で良いので報告することです。明日の活動場所等についての確認を行い、ホテルへ帰りました。

【診療報告】
Libas村での受診者は212人で男性は62人(29.2%)、女性150人(70.7%)と女性の方が多かった。昨日のサイトよりもさらに女性が多かった。

年齢は小児(0-15歳)が50人(23.6%)、生産年齢(16-59歳)は31人(14.6%)、高齢者(60歳以上)は48人(22.6%)と高齢者が多かった。70歳以上が15人と、途上国とは思えないほど高齢者が多かった。妊婦は1人、授乳婦は2人であった。

疾病、傷病としては急性呼吸器感染症が115例(54.2%)に認められ、もっとも多い疾患であった。咳や風邪の症状が多く、軽度の肺炎1例、重度の肺炎1例が認められた。下痢症は5例(2.4%)と少なく軽症が多かった。筋肉、関節の痛みでの受診は28例(13.2%)、頭痛は15例(7.1%)と鎮痛薬の処方が比較的多かった。外科的な傷病としては創感染が9例(4.2%)認められたが、処置を必要とするものはいなかった。搬送・紹介をした症例はなかったが、腎不全で複数種類の内服をしている患者があり、HuMAでもっていた薬では対応できなかったため、処方箋を書いて渡したが、セブ島までいかないと手に入らないだろうとのことであった。

高血圧治療中の内服薬の処方希望が約10例認められた。喘息は10例(4.7%)見られた。 子宮筋腫による腹部圧迫感を訴える70歳の患者がおり、触診上も臍直下までの巨大な子宮筋腫が触知できたが、子宮筋腫と診断がついており、増大傾向でなければ安心してよいと説明すると、安心された様子であった。

診察は基本的に2診体制とし、途中で、今回調整員として派遣された医師にも診察を手伝ってもらい、3人で交代し休憩しながら無理なく診療活動をすることができた。

LibasのBarangay Hallで診療活動を行ったが、となりのHealth CenterでダバオDOHチームが破傷風ワクチンの接種を行っていた。