2015年5月16日・ネパール連邦民主共和国シンドパルチョーク地区
【本日の活動概要】
シンドパルチョーク地区で調査を行った。
天気は曇り。被災地の谷間を流れる川の水は濁っており、土砂崩れがあったことを思い起こさせる。
プライマリーヘルスセンター(PHC)は、ネパール各地で住民と保健医療の接点として機能している。5月11日(月)にも観察したレンガ造2階建の有床診療所の損壊が、5月12日の地震で更に増悪していた。建物は一旦壊して耐震構造に立て直す必要がある。被災患者の診療は、前庭スペースにタープを張って行われていた。スタッフ宿舎にも損壊があり、仮設テントを作って寝泊まりし、被災患者に24時間対応を続けていた。
バラビセから5 kmほど急傾斜の狭い林道を登った山の中腹にヘルスポスト(HP)も損壊して使えず、建物は一旦壊して耐震構造に立て直す必要がある。
地震で損壊した家屋が多く、住民はビニールシートや瓦礫から拾った廃材で作った仮設小屋で生活している。衛生環境がよくない状況で、伝染病の流行が懸念される。しかし、それに対応すべき保健衛生施設も地震で破壊され、患者の行き場がない状態である。
地震で被災した外傷患者への急性期対応の時相は終わりつつある。これからは回復復興の時で保健医療の機能を維持し回復させるには、長い時間と総合的な支援が必要であると考えられた。
![]() | 損壊したヘルスポスト |