お知らせ

2017ミャンマー避難民本隊人道医療支援 七次隊 2018年3月10日

活動日:2018年3月10日
活動場所:ハキンパラ難民キャンプ

【本日の活動概要】
DCHTヘルスポストにて診療補助、動線を変更した形での妊婦患者受け入れ訓練、HuMA医師によるエコー指導、自動血圧計の使用説明と導入できるかどうかの判断

本日も道中はバザール周辺は渋滞が見られましたが、それ以外はスムーズで、ドライバーの安全運転で順調にハキンパラ地区まで到着することができました。ハキンパラ地区の入口では、軍による居住者以外の入場者の台帳管理も実施されていましたが、今日はパスポートの開示は求められませんでした。日によって内容が異なるのかもしれません。

10時頃にDCHT(Dhaka Community Hospital Trust)に到着すると診療所は患者で溢れており、スタッフと話をしながら準備を行う余裕はなく、現場責任者のDr.Sharmaと相談し、午前中HuMA医師は胎児スクリーニングを含めた妊婦の超音波検査、腹痛患者など13件の超音波検査を実施しました。またスタッフの業務削減を目的に、自動血圧計を用いた問診の実施を試みました。そしてクリニックの問診を担当するスタッフを対象に、自動血圧計の使用方法を説明し活用を開始しました。最初はマンシェットの巻き方が逆だったりすることもありましたが、ポイントを繰り返し強調して伝える事で、その後の問診に32件自動血圧計を活用する事ができていました。正しく丁寧な取り扱いで、正確に問診で活用できている現状を見ると、自動血圧計の導入も問題ないものと確信できました。午前中は患者も多く、上記の活動のみで終了となりました。

午後は患者の数も少し落ち着いてきたため、妊婦の動線変更とチェック表などを用いたナースによる妊婦健診の分業を試みました。HuMA医師が見守る中、分娩室へと患者を誘導し、来院した3名の妊婦に対してナースが項目に従って健診の中の血圧測定や体重測定、子宮底長の測定などの測定を実施することができました。ドプラーについては、妊娠週数が小さい場合など困難なこともありますが、TBA (Traditional birth attendant)が一緒に手伝うなどDCHTスタッフが協力しあって行っていました。HuMAが用意したチェックシートを見ながら1項目ずつ確認し計測を進め、動線変更やチェック表を用いた妊婦検診も実施可能である確信が持てました。最終的にはPWJ (Peace Winds Japan)の責任者の許可を得る必要があり、まだ話し合いが必要です。

計測をしている間、HuMA医師はDCHTの女医から骨盤位かもしれないと相談を受けました。やや子宮収縮もあり触診では限界があることを説明し、超音波検査の方法を示し、続いて彼女に実際に経験してもらいました。彼女が持つプローベを上から握って動かすような状態でしたが、自分で動かしてみないと見ているだけでは超音波検査は習得できないため、また練習しよう、と伝えました。

本日はDCHT側もスタッフが協力して、待合室を占領していた妊婦に配布する栄養セットを分娩室側のトイレの天井部分に移動し収納し始めました。トイレの天井が落ちたり、雨季になると屋根からの水漏れにより物資が使えなくなる事も危惧されましたが、DCHTスタッフは「大丈夫だ」と主張していました。倉庫の導入はする予定だそうで、倉庫が来れば移動できるかもしれません。物資の移動などは、数日前に動線の変更についてDCHTスタッフに相談したため進んだと思われます。Sharma医師によると、靴箱をバルコニー側に移しジェネレーターをもう少し前に出してベンチを作る予定である、とHuMA6次隊の案を前向きに考えてくれている様子でした。

上記の活動を行っているうちに、いつの間にか15時半になっていたという感覚でした。この診療所で活動できるのも、あと2日です。心残りがないように、現場のスタッフ、受診に来る患者が少しでも良い環境が得られるように、7次隊2人力を合わせ、引き続き明日も活動していきたいと強く思う1日でした。

クリニックの問診を担当するスタッフに
自動血圧計の使用方法を説明する
超音波検査の方法を示すHuMA医師