活動日:2017年12月25日
活動場所:ハキンパラ難民キャンプ
【本日の活動概要】
本日より二次隊の医療支援活動がスタート。診療・患者ケア、モバイル診療所の視察、他機関のミーティングに参加、 資機材補充・確認、日報作成など、初日から忙しく動きまわりました。
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)の方とハキンパラ難民キャンプ内仮診療所に向い、9:30には現地に到着しました。 ダッカコミュニティ・ホスピタルトラスト(DCHT)のスタッフの方々に挨拶と自己紹介をし、まず診療所周辺を視察しました。その後、医師達の診療介助や患者ケアを実施しました。
基本的にDCHTの医師は、問診だけで診断して処方している印象をうけました。シャルマ医師が英語で教えてくれる主訴に対して、HuMAが体温測定や聴診などの身体診察を行いました。一次隊の提案により持参した非接触式体温計は非常に有効でした。上気道炎と下痢が多かったのですが、意外に脱水状態にある子はおらず健康そうでした。37度台の大人の発熱が2人、38度台の子供がいましたが、リンパ節腫脹や咽頭発赤は認めずジフテリアを疑う症例には遭遇しませんでした。帯状疱疹の年配女性もいました。受診者は母子が多いですが、思っていたよりも男性も多くいました。上気道感染の子供は鼻腔が閉塞していることが多いので、鼻腔内の清拭なども行いました。
ヒジャブで頭部・顔面を覆い隠している女性は、診察時にそれを外すことに抵抗を示すため、レジャーシートで作ったカーテンで臨時の個室診察室を作りました。シートの片方だけを固定して開閉できるようにし、他の患者の時には自然採光で診察ができる工夫をしたので、女性らはヒジャブをはずして診察を受けられるようになりました。
昼前にプログラムオフィサーと一緒に、キャンプ奥のモバイルクリニックの視察に行きました。DCHTのモバイルクリニックは毎日移動して6か所を回っているとのことですが、今日は休日なので学校を使っていました。ハキンパラ仮診療所よりも受診患者が多い印象でしたが、仮診療所の周囲にはいろいろなNGOの診療所がたくさんあるのに対し、キャンプ地の奥にはモバイルクリニックしかないからだろうとのことでした。
キャンプはいくつかある小高い丘を中心に区分されており、整然と仮設住宅が建てられています。ここは以前はすべて静かな森であったとのことです。仮設住宅は竹の柱にオレンジ色のシートがかぶせられているものが多く、青い空に鮮やかなオレンジ色が映えていました。ハキンパラ仮診療所の背後の小高い丘の上には、ヘルスポストの建設が進行しています。
午後は、DCHTプロジェクトマネージャーの方やPWJの方々のミーティングに参加しました。 DCHTでは、周産期の女性に対し栄養価の高いビスケットなどを配布する計画がありますが、それに合わせてDCHTは上記の仮診療所周辺で、周産期の女性300人を対象に3人のヘルスワーカーが調査を行うとのことです。HuMA看護師も28日より同行することとなり、リスクの高そうな対象には浮腫の有無の確認と血圧測定などを行います。
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ハキンパラ難民キャンプ仮診療所の様子 | 診察するHuMA医師 |