BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)とは、災害時に企業や組織の特定された重要業務が中断しないよう、または中断した場合でも迅速に再開できるように、事前に策定しておく計画のことです。介護施設は2024年度までにBCPの策定を行うよう、政府によって義務付けられていますが、具体的な策定に苦慮している施設も多く存在します。そこでHuMAは、介護施設のBCP策定を支援するため、オンラインセミナーを実施してきました。さらに、能登地震や豪雨災害で支援を行った社会福祉法人長寿会 長寿園へ看護師2名を派遣し、二日間にわたりBCP策定のコンサルテーションを実施しました。
看護師たちは到着後、施設長と副施設長にご挨拶をし、BCPの内容見直し作業を開始しました。
まず、厚生労働省が提供しているひな形に沿って、想定されるハザードと施設の位置関係からリスク分析を行い、現状の各勤務帯の人員配置をヒアリングしながら、現行のBCPへの加筆修正を進めました。また、管理栄養士の方から震災当時の食事提供についてヒアリングを行い、停電によってミキサー食の作成が困難であったことなどを伺いました。これらの情報をもとに、停電時に必要な電化製品を特定し、自家発電で補うべき電化製品と必要電力を算出しました。さらに、備蓄庫を一緒に点検し、トイレや食料などの必要備蓄量と現状の備蓄数について、助言いたしました。
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長寿園に到着 | 現況把握スタート |
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施設内調査 |
活動中、奥能登豪雨災害の際に支援させていただいた入居者様と再会しましたが、徐々に食事が摂れなくなってきていました。職員の方は、ジュースを飲んでもらうなどできる限り摂取できるように対応されていました。職員数の充足が難しい状況は続いていましたが、以前に支援に入った時と変わらず丁寧で寄り添うケアをされている介護士、看護師の皆様の姿に感動しました。
本日はBCP策定だけでなく、前回の能登豪雨支援活動で行った入浴介助も行いました。夜には能登地震支援活動でHuMAが入った宝立町の方々と食事をし、旧交を温めました。
二日目は副施設長とともに施設内を回り、部署特有の優先業務の特定や事業を継続する上での課題などについて意見交換をしながらコンサルテーションをすすめました。ボイラールームや給水設備、ごみ集積、下水浄化槽などの施設についても現状を共に確認しました。
今日も嬉しい再会がありました。豪雨災害支援時にマニュアル作成を共にした主任さんと再会できたのです。支援初日は辛そうな表情をされていたのが、今は穏やかな笑顔を見ることができ、少し安心しました。また、宝立小中学校避難所にいらした女性から、焼き芋の差し入れをいただきました。直接お会いすることは叶いませんでしたが、HuMAのことを覚えていてくださったことに、心が温まりました。能登地震から1年以上経った今もなお、このようにHuMAのことを覚えていてくださり、温かく接していただけることを大変ありがたく思います。今後も、皆様との良好な関係を紡いでいけるよう、努めてまいります。
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ボイラーやポータブル電源の点検をおこなった |
今回の訪問は、能登半島豪雨に対する支援の一環で、日本財団様からの温かい助成金を活用させていただき、実施いたしました。この度の支援活動にあたり、多大なるご支援を賜り心より感謝申し上げます。今後もHuMAは、被災地の復興に向けて尽力してまいります。