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怪我なく全員、無事に月山に登ることができました |
宿舎のポレポレファーム |
派遣地・期間 : 山形県西川町・2013年7月30日~8月1日
公益社団法人日本山岳ガイド協会主催、HuMA共催で「岩手県大槌町児童自然体験活動支援事業」が昨年に続き、山形県西川町月山エリアで「山と海をつなぐ水」をテーマに3日間の日程で開催されました。子供は総勢30名、ガイド7名、医療班3名の参加でした
4校が1校に統合された大槌小では、スクールバス通学、運動場の不足などから運動不足が懸念されましたが、子どもたちは芝生の広い宿舎付近でサッカー、スイカ割りなどのびのびと3日間過ごしました。被災地の子どもの生き生きとした姿に、こちらが元気をもらいました。
1日目・7月30日
早朝5時半に大槌町をバスで出発。
山形県西川町・水の文化館で山形大学元教授・原先生の水とプランクトンのお話しを昼食を挟んで伺い、県立自然体博物園内では、緑のダムブナの森で体験学習を行いました。あいにくの雨ではありましたが、テーマの通り、山に降った雨がブナの幹を流れ落ちる様子、セミの脱皮、ヤモリの活動の様子など興味つきないブナの森を、こどもたちは楽しんでいました。
2日目・7月31日
月山ポレポレファームというペンションをベースに支援事業が実施されました。今年の新しい試みの一つ、海の町・岩手県大槌町児童15人と山の町・山形県西川町児童10人で月山山頂を目指す交流登山です。
時折雲間に月山の山並みが望めたり、雨が降ったりの天気のなか、3時間あまりをかけて軽アイゼンを付け残雪を越え、高山植物咲き乱れる稜線を歩き、松尾芭蕉も辿った古の道をたどり頂上を目指しました。
かしこまった自己紹介もしないまま、月山頂上を目指した海の子と山の子たちは、大人の心配をよそにいつの間にか仲良くなり、そして励まし合いながら頂上に立っていました。
山は残雪が多く雪渓が長いのですが、頂上に立って安心したのでしょうか。
ヘトヘトになって歩けなくなった子ども(山岳ガイドが交代で背負いました)、
緊張のあまりお腹が痛くなった子ども(ドクター、看護師が同行していたので心配ありませんでした)、
「帰りたい!」と叫んでいた子ども(こどもたちで励まし合いました)
など続々出てきましたが、ポレポレファームに無事戻りスイカ割り大会をやるとなるとあっという間に元気になり、
その回復力や切り替えの速さに、ただ大人たちは驚くばかりでした。
月山頂上の小屋ではみそ汁をサービスしてくれたり、途中のリフトは無料にしてくれるなど
地元の協力が大変なものがありました。宿舎のポレポレファームのご夫妻は、子ども達の喜ぶ食事を作ってくれ、夜は、山形大学留学生グループによる自国音楽演奏や南京たま簾、漫才などの披露をいただきました。
3日目・8月1日
半年以上も前から何度も大槌町を訪問し、学校関係者へのご理解をいただきながら準備を進めてきた事業もあっという間に、最終日となりました。
月山ダム湖畔のレストランで昼食をいただき、閉会式を行い大槌町へと帰宅の途につきました。
さすがに、朝から夜遅くまで自由に動きまわって満足したのでしょうか。昨年とは違い子どもたちは、3日間遊び疲れたのか静かでした。
震災から、2年4ヵ月、何回、遊び疲れることがあったのかな?とそんな心配をしてしまいました。
出迎えていただいた、おらが大槌夢広場の臼沢さんの
「みんな、いい顔になって、帰ってきた!」
その一言が全てを言い表し、その一言で、今年も実施できてよかったと安堵できました。
多くの皆様の善意、おもてなしの心で、おかげさまで無事、事業を終えることができました。ありがとうございました。