活動報告

ミャンマー・サイクロン被災者支援 吉田ロジ活動レポート抜粋(1月6日~13日)

1月6日(火)
 ミャンマーに着。Thin Thin(HuMA現地スタッフ)と打ち合わせ。sRHCカウンターパートIOM訪問など。
1月7日(水)
 ミャンマー社会福祉省を訪問。井戸プロジェクトのレポート提出を求められる。
1月8日(木)
 ヘリにてヤンゴンからボガレーへ(遅延)。IOMボガレー訪問→KCCP村着。建設中sRHC視察、クリニック視察、村人と話し・食事など。Metta Yaysin: Tun Tun O氏と、井戸建設予定地のMeza Le村を訪問。IOMモラミンジャンとMetta Yaysin Companyを訪問。

IOMボガレー(スタッフ数50名)では、被災者へのメンタルケアを行っていて、NGOへ訓練を受けさせ訓練を受けた人が村人へのケアをするようにしているとのこと。ボガレーの被害は人口30万人のうち4~5万人が亡くなった。孤児も多く、働ける年齢の孤児は親が働いていた所の雇用主に雇われ働いているとのこと。
SRHCは60%ほど出来上がっている。フィックスクリニックの患者数は前回とそれほど変わっていなく、口コミにより他の村からの患者も多いとのこと。村人たちとの会合では、井戸に完成により下痢も減り大変喜んでいるとの話。メザリ村を視察。こちらは前回の訪問の3日後には既にプロポーサルをMetta Yaysinに提出しており、井戸を心待ちにしている状態。1月15日ごろから工事開始予定。
1月9日(金)
 モラミンジュン→井戸地Down Oo to村へ。Down Oo to村にて井戸完成セレモニー。Hmut Tai村にて井戸完成セレモニー。井戸建設予定地のGan Kaw村視察。20:00にモラミンジュンに戻る

Down Oo to村:井戸は村の入口、学校横。ここには2m強の高さまで水がきたとのこと。他の村でも同様の話であるが、農作物の出来は平年より良くない。サイクロンで塩分を含んだ水が稲作地まで流れ込んだことと、農耕器具や耕作用の水牛などが不足している、政府などから配られた種にする米が土地にあったものでなかったり質があまりよくなかった為。また米や野菜の値段は平年より安いとのこと。USAIDからビニールシート、save the childrenからも援助があった。学校再建をして欲しいとの話。

Hmut Tai村:井戸は村の入口、僧院と学校の間。ここでも農作物の収穫は良くない。この村では村民の半数を失っていて、殆ど建物は残らなかった。WFPより米、油、塩、豆の援助がある。この村では、先に訪問したダウドゥに比べ、村人の団結と復興への熱意が感じられた。被災から1ヶ月半あとには椰子の葉などで仮説学校を作り、村人でお金を出し合ってボガレーから教師を呼んで学校教育を再開し、教師の食・住も村人が賄っている。僧侶も村人自ら依頼しモラミンジュンより来てもらい、仮説の僧院にて生活してもらっている。

Gan Kaw村:井戸設置予定は村の入口、学校再建予定地の横。村の水はUNDP,save the childrenの援助の貯水池、池、個人所有の160フィートの深さのポンプ井戸。乾季には水が足りなくなる、この村近辺の川の水は塩分を含んでいる為、水不足の時には2時間半かけてモラミンジュン周辺まで行き、川の水をもってくるとのこと。

途中何度も船のエンジンのチェーンが切れ、移動時間が予定よりかなり掛かった。
1月10日(土)
 モラミンジュン→井戸建設予定地A Wa Chaung村視察。午後はモラミンジャンIOM訪問

A Wa Chaung村:井戸設置予定地は村の入口、僧院の敷地内、学校近く。他の村同様、井戸は川の入口近くにし、他の村からの人も利用しやすいようにとの考え。こちらも川の水は塩分を含んでいる。雨期は飲めるとのこと。乾季には2時間かけて塩分を含まない地域まで行き川の水を汲んでくる。船のない人は他の人の船に同乗し、燃料代は折半しているそう。乾季でも川の水は洗濯や食器洗い等に使用している。1月15日工事開始予定。
1月11日(日)
 モラミンジュン→Yaw Kyaw Tain村にて井戸完成セレモニー→Kanaso Chaung Kyi村にて僧侶へ挨拶、井戸完成セレモニー→井戸建設予定地Paung Ta Chaung村視察。夕方にモラミンジュン着。Metta Yaisinと最終打ち合わせ、書類確認、支払い等(21:30)

Yaw Kyaw Tain村:井戸は村の入口の僧院の敷地内。僧侶に食事贈呈の儀式をしてからセレモニー。開始までに村人から聞き取りをする。川の水は雨期は飲めるが、乾季は池の水だけでは足りなくなっていた。サイクロン後には池の水にも塩分が入ってしまった。水が足りないときは50ガロン(ドラム缶1缶)を1500チャットで購入していた。今までは下痢が多かったので、今は飲み水は井戸の水にするよう気をつけ、下痢も減ってきているとのこと。セレモニーではHuMAとMetta Yaisinの挨拶もあり、その後に僧侶による説法。セレモ ニー終了後は女性達が喜びの表現として踊っていた。食事の提供もうける。活気のある村のとの印象。

Kanaso Chaung Kyi村:井戸は村の入口近くの学校近く。こちらは全ての家が破壊され、僧院のみ残った。僧侶に挨拶、村の様子を聞く。川の水は雨期には飲めるが乾季には塩辛くなってしまい飲めない。今までは乾季には池の水を飲んでいたが、サイクロンで池にも遺体が残ったため、きれいにしたとのこと。こちらも飲料水が足りない時は50ガロン(ドラム缶1缶)を1500チャットで購入していた。村制26年にして初めて水を目の前にしての乾きから開放されたとの村長からの挨拶。セレモニーではHuMA, MYの挨拶、僧侶による説法。手作りの日の丸も作ってくれていた。

Paung Ta Chaung村:井戸設置予定地は村の入口、UNDPの貯水タンク(雨どいの水を貯めるもので雨期のみ水がある)横。この村はもっと早く着工する予定であったそうだが、Metta Yaisinが工事を始める際に村人の協力が なく、一旦全ての資機材を引き払った。その3日に村人が2時間かけてMetta Yaisinまで来て、井戸設置の依頼をしに来た。実はプロポーサルを出した村長が他の村へ移住してしまい、Metta Yaisinが依頼していた牛糞の準備 や職人の食・住の提供などについて何も聞いていず、どう手伝ったらよいかも知らなかったという。今回の視察で残った住民がMetta Yaisinへ協力することを約束し、予定通り井戸設置をすること となった。
1月12日(月)
 早朝にモラミンジュン→ヤンゴン 高速船にて移動(12:00 ヤンゴン港着):高速船が出来たので、今までのように10~14時間かけて船旅をせずすむようになった。 JICA専門家中村氏とHuMAミャンマープロジェクト:マラリアの市民啓発用紙芝居配布について打ち合わせなど。
1月13日(火)
 事務所にてメール連絡。ミャンマー社会福祉省に提出するHuMA井戸プロジェクト中間報告書準備、経理処理など。