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HuMAの活動
平成28年熊本地震被災者医療支援


2019年HuMA熊本地震被災者医療支援評価 及び被災地の災害対応能力向上に向けた取り組み

被災した妊婦のリスク評価について


1. 妥当性・適切性
発災当時、妊娠中でHuMAと保健師から支援を受けた方は、「保健師とHuMAからの電話をもらったことは覚えていないが、その後、保健師とのかかわりが密になったことは覚えている」と話しておられ、被災し混乱した中でも、保健師との関係性が良くなったことはHuMAの活動に妥当性があったと考えられる。 保健師からは、「今後大災害発生時には、発災後保健師で妊婦の情報収集をする方針になっているが、診察などの部分は今後もできればALSOに頼みたい」と意見があり、2016年の評価の際にも、ALSO医師が産科診察をしてくれたことが安心感を与えたと思われる意見が挙がっていた。大災害時の産科スタッフの支援が被災者だけでなく地元保健師にとっても大きな意味があると考えられた。

2. 連結性
2016年の評価の際、保健センター保健師より「災害後の妊婦支援は、資料は地区担当制なので地区担当者にデータを渡している。HuMAがリスク分類をしてくれたので、誰に当たればいいかすぐわかるのがよかった」とスムーズにデータを活用できていた。 当時妊婦だった方より、「地震がきっかけで(電話をもらうなど)保健師とは身近になった。3-4日に1回くらい電話してきてくれた」という声があがったことから、HuMAの活動終了後も地元保健師により活動が持続されたことが分かった。 2016年の評価の際には、「予防行動についてのアドバイスをALSO医師から直接得ることができ、ハイリスク妊婦の評価、予防行動提示を行えた」「HuMAの活動終了後、HuMAが作成したデータベースをもとにフォローアップを行っていると思う」という情報があり、具体的な指示やデータベースを残したからこそ、持続的な支援ができたと考えられた。 ただ、発災時妊娠中であった方から、「出産後自宅に戻ってのストレスフルな生活のとき、隣人の助けもあったが、このころ保健師から電話をもらえたら良かったかもしれない」という意見があった。妊娠中だけでなく、産褥期の支援も必要であり、保健師から助産院や産後ケアの施設などにハンドオーバーしても良いかもしれないが、そのあたりも計画しておく必要がある。

3. 一貫性
2016年の評価の際に、保健師より「すべての妊婦に対して均一な評価ができた」という意見があり、保健所にすべての妊婦のデータがあったことで一貫性が保たれたと考えられた。

4. 被覆率
2016年の評価の際、評価した妊婦数125名/全妊婦数125名 (被覆率: 100%)という情報があった。準ハイリスク妊婦19名のうち4名に電話でのフォローアップを行い、7名のハイリスク妊婦には全員に電話でのフォローアップを行い、1名には直接訪問を行ったという情報であった。ただ、2016年の評価の際、産婦人科や温泉病院も、県からの要請もあって妊婦に電話連絡をしていたという情報があり、連絡が重複していたことが判明した。被災者の負担にならないよう重複せず情報共有できることが望ましい。また、医師ひとりで対応していた病院もあり、医療サポートを必要としていたと情報があった。やはり情報共有が必要と考えられた。

5. 効率性
2016年の評価で、ALSO JAPANと協働して、妊婦評価のため保健師4人態勢で電話を行い、2日間で全妊婦に電話をした。

6. 有効性
当時妊娠中であった方から、「妊娠中にほしかったサポートは、ない。3-4日に1回くらい保健師が電話してきてくれたので大丈夫だった。地震がきっかけで(電話をもらうなど)保健師とは身近になった。」と言う声が聴かれ、保健師からの支援は有効であったと考えられた。 2016年の評価時には、ハイリスクの妊婦が見出された数7名/全妊婦125名という情報があり、「深部静脈血栓症を疑われた妊婦、車中泊の外国人妊婦、双胎妊婦が2人などハイリスクの妊婦も重症化することなく対応できた。」「リスクを区分したフォーマットを作ってくれたのはありがたかった。自分たちでは電話をしても「大丈夫ですか?」くらいで具体的な声かけができなかったかもしれない」という話があがり、ALSO-JAPANの支援が有効であったと考えられた。

7. インパクト
2016年の評価の際、保健師より「妊婦たちは保健センターから電話があるのは想定外であった様子であったが、『心配してくれたんですね』とお礼を言われた」、「HuMAやALSOって何、という地元の反応はなかった」という意見があり、被災した妊婦に安心を与えられたという点で良いインパクトを与えたと考えられた。

8. 持続性
保健センター保健師より、「地震後、保健師の中で発災後72時間以内に妊婦の調査をするという方針が決まった」という話があり、熊本地震での経験が生かされ、また妊婦への対応を優先するという方針を取られたことが分かった。

提言
産科の医師が被災地で効果的に活動できた事例は少なく、まだ災害時妊婦への支援は不足してることが多いため、今回の経験をgood practiceとして広く伝え、今後の災害時の妊婦支援におけるモデルとして活用していきたい。妊娠中だけでなく産後の支援も検討していく必要がある。
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