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HuMAの活動
平成28年熊本地震被災者医療支援


2019年HuMA熊本地震被災者医療支援評価 及び被災地の災害対応能力向上に向けた取り組み

地元保健師の負担軽減について


1. 妥当性・適切性
2016年7月の調査において、阿蘇市保健センターの保健師さんから評価を頂いた。「HuMAのメンバーは話しやすく、和まされ信頼できた」、「阿蘇市保健センター保健師をサポートするというHuMAの活動方針が明確で、そういった支援が入っているところは他には無かったことを後で知り、改めてHuMAの支援の良さを実感した」、「予想を超えた大規模・長期の災害だったので、支援してもらうことで「保健師としての機能」に真に取り組むことが出来た。外部支援のチーム配分や保健師独自の動きについて全体をつかんで調整することにつながった」、「何をどこの誰にお願いしてよいのかわからないところでは大変助かった」という評価を受けた。 また、現状を把握するのに精一杯のところ、HuMAから、何が出来るかを提言して貰えたのが良かったとのこと。 HuMAはしっかり話を聞いてニーズを一緒に導き出してくれて、保健師のサポートをするという熱意を感じることができた。また、保健師が早く通常の業務に戻れたり休みを取れるよう目指してくれて、信頼に値する支援団体であると判断できた、とのコメントも頂いた。 HuMAからの支援で良かったこととして、書類の様式や避難所撤収の方針を示してもらえたこと、避難所の変化を壁の掲示などで見える化してもらえたこと、が挙げられた。ただ、立ち上げのときなど、もう少し早く入っていただくと良かったとの意見が挙がった。

2. 連結性
HuMAの撤収後に負担が増えたようなことはなかった。 経過をまとめたり記録して残すような時間は地元保健師ではとれなかったので、HuMAの残した報告書、特に表が役に立った。

3. 一貫性
自己準備・完結型で、保健師にいろいろなことを要求せず、自分たちで段取りする手際のよさがあった。様々な対応で時間がとられストレスがたまる中、HuMAが調整業務を担ってくれた。 異なる避難所で統一した方法が取れない、など課題に対して、その都度、分野に偏らず対処してもらった。 HuMAは「自分たちはこれだけをする団体」というスタンスではなかったのが良かった。

4. 被覆率
N/A 該当なし

5. 効率性
避難所の統合において、避難所のスペースを一緒に計測してプランを作成し、世帯ごとのスペースの囲いを一緒に設置してくれた。 避難所の統合時に起こっている問題に、得意なメンバーを派遣できたのが効果的だった。 フォーマットづくりや元データの管理をやっている余裕はなく、時間と手間がかかることを素早く対応してもらえた。意図するものを迅速に作成してくれた。 ただ、阿蘇市保健センターとHuMAの間に受援/支援の枠組みがなかったため開始時に手探りであった。平時に被災地とHuMAが受援/支援の枠組みを作っておくとスムーズな活動開始が可能となる。

6. 有効性
災害急性期は県庁から車中泊禁止で避難所に誘導するよう指示がでていたので、公的な立場として車中泊を支援できなかった。そこで、HuMAが大分大学チームと共に非公式に車中泊調査などして、阿蘇市が車中泊を無視していたわけではないという事実を残すことができた。 今後、車中泊を公的に認めるなら、ゴミ処理やし尿処理と併せて考える必要がある。 災害時、産休で欠員がでており人員不足であったが、子育て中の保健師に休みをとってもらえた。5月の連休から休暇をとらせることができた。連休明けから罹災証明の発行業務が入ったが、全員が連休中に1日くらいずつ休めた。発災1か月後くらいから、週に1日くらい休めるようになった。 災害後1か月以内で乳児健診、栄養教室を再開し、震災に関わりなく見ていくべき子どもの成長をみることができた。また健診の再開は、それをきっかけにお母さん同士が安否を確認したり、情報交換したりするよい機会となった。 HuMAに様々な業務を任せ保健師の役割に移行できたので、保健師は泊り込みをせずに業務を進められた。

7. インパクト
阿蘇市保健センターの保健師から、「某HuMA医師の明るさに助けられて久々に笑えたのが救いになった。」とのことで、緊張が続いていた支援者への支援にもなっていた。

8. 持続性
阿蘇市保健センターでは、熊本地震の経験を元に備えとして総務課で備蓄計画を進めている。また、保健師が避難所から離れられるようにし、災害時に保健師がするべき業務が遂行できるよう計画を作成し始めている。 災害対応計画の中の保健師の担当について、過去の事例を参考情報として提供した。 また、発災後ただちに役割を決められた役職が参集できるとは限らない可能性から、発災後のある程度定められた対応はアクションカードに起こし、誰でも役割を果たせるようにしておく必要性について話しあった。HuMAから「ICS(インシデント・コマンド・システム)」の話題提供を行った。今後も保健師からHuMAへのメール交換等を通してHuMAが継続してこの計画案の充実のために助言を行うことになった。

提言
HuMA初動調査隊の報告書(2016年5月5日)で示されたHuMA本隊の活動方針「阿蘇地区災害保健医療復興支援会議(ADRO)阿蘇支部の運営の継続と阿蘇市内の避難所の健康相談と巡回診療、在宅避難者の医療受診補助を中心に行い、阿蘇市保健センター保健師と支援保健師の活動を支援するという方針」が、HuMA本隊により実行され、良い支援であったことが3年後の調査で確認できた。  阿蘇市に保健医療支援に入ったのであるから、阿蘇市の保健医療を担当する部署である阿蘇市保健センターを支援すべく保健師活動を支援するという方針は、合理的であり妥当な方針であったと考えられる。もし仮に、阿蘇市の保健師を無視し独立して被災市民の保健医療支援を行ったのであれば、同じ活動をしていても地元保健医療部門と摩擦が生じたり活動終了後に地元保健師が取り残されたりしたという反省を残すことになったであろう。よって今回の保健師活動を支援するという方針を明確に意識しつつ実行された支援活動は、効果的かつ効率的であり、結果的にHuMAに対する良い評価を被災地に残すことになった。  今後の被災者支援に際し、保健医療の支援団体であるHuMAが被災地の何をどのように支援するのか、状況を把握し柔軟に方針を策定する必要があると考えられる。今回のように市町村の保健医療部門を支援するのか、それとも都道府県の保健所を支援するのか、医療機関を支援するのか、医師会を支援するのか、独立した保健医療体制を構築するのか、様々な支援の形態があり得る。HuMAは様々な可能性に柔軟に対応する能力があるのだから、その柔軟性を活かして被災者支援方針を立案することが望まれる。
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