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HuMAの活動
平成28年熊本地震被災者医療支援


2019年HuMA熊本地震被災者医療支援評価 及び被災地の災害対応能力向上に向けた取り組み

医療チームのコーディネーションについて


1. 妥当性・適切性
「過去の災害の経験が適用できないほど規模が大きく、外部支援団体も多かったため、コーディネーションに入ってくれて助かった」、「被災地外からのチームから異論は、特に無かった」、「災害1週間後など常に状況確認の声かけがあり、必要なところでフレキシブルに様々な業務で動いてもらえた」、「再び災害が起こった際にもHuMAに入ってもらえたら」等コメントあり、ニーズに基づいた支援であったと考えられる。 「HuMAは公的な機関ADROからの紹介でもあり、明確なガバナンスがあり、公認されるような体制があって良かった」「HuMAのコーディネーションについて、保健活動において異論はなかった」、地域の医療機関からも「ADROから阿蘇市医師会に情報が入り、開業医までHuMAの情報が通達された」とのことで、適切な調整の元で活動できていたと考えられる。 また、「避難所が各地に開所している4月から5月は、毎朝の会議で情報を共有できたのはよかった」とのことでHuMAのコーディネーションは内容・時期が適切であったと考えられる。

改善を要する点としては、被災者、被災地の保健師にとってHuMAの知名度が低かったため、活動初期に少し不安を与えていた。公的機関である阿蘇市保健センターの会議でHuMAがイニシアティブを取っていることに他団体、被災地外の保健師から疑問を呈されたこともなくはない。他には「もう少し早く来て欲しかった。せめてADRO立ち上げのときに入っていただくとよりスムーズではあった」という声が聞かれ、より迅速な活動開始が期待される。

2. 連結性
「撤収のタイミングはちょうどよかった。1か月では足りず、2か月は必要だった」「HuMA撤収、引継ぎのタイミングについては、避難所が落ち着いたタイミングで適切だった、長引いてもどこで撤収するか判断が難しかったのではないか」とのことで、適切なタイミングで引継ぎが行われたと考える。 書類の様式や避難所撤収の方針を示したことで、保健師が撤収後も問題なく活動できた。

3. 一貫性
「保健師のサポートを第一に考えているという一貫性があり、活動が偏ることがなかった。チームやメンバーが交替しても、違和感があるほどの方針の転換などはなかった。誠実、人道性に配慮できていた。信頼でき、研究や利益を追求するものでもなく、偏りもなく、人道支援という理念どおりであった」とのことで、一貫して人道支援の理念に基づいた活動ができていたと考えられる。

4. 被覆率
改善を要する点で、今回の調査で「医師、看護師以外の薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師などの支援が必要であった」とのニーズが聞かれ、医師、看護師以外の職種の受入れに関してのコーディネーションをすべきであったと考えられる。

5. 効率性
「避難所で医療チームが重複してくることが問題になっていた」とのことで、支援の重複を回避できていなかった点があった。

6. 有効性
「保健師がやれていないところをやってもらえているという実感を持てた。短時間の会議を設定し、主管を中心にスムーズに運営が行くようにしてもらった。それぞれの支援団体の特徴をとらえ必要とされる場所に入ってもらえるよう、外部団体との調整も請け負ってもらえた」とのことで、調整が十分に機能していたと考えられる。 避難所の変化を壁の掲示などで見える化したことで、保健師が全体を把握する上での参考になり、時期に合わせた適切な判断ができた。 一方、「初期のころは団体も、報告も多く会議が長くて負担を感じたこともあった。やることがたくさんあるのに、最初はなぜ会議に招集されねばならないのかと感じたこともあった」とのことで、会議をスマートに運営する努力が必要であると考えられる。

7. インパクト
阿蘇市における医療チームの調整で大きな問題が発生しなかった。

8. 持続性
「災害時、保健師は記録する時間をとれなかったので、HuMAの最終報告書、特に表が経過をまとめて理解するうえで役に立った」とのことで、HuMA報告書が災害対応の記録として持続的に役立っていると考えられた。 2016年7月のフォローアップ時に、HuMAから阿蘇市保健センターに熊本地震対応の経験を基にBCP(事業継続計画)の作成を提案し、現在、阿蘇市保健センターは災害対応についてのマニュアル、組織図、アクションカードを作成しているとのことで、今後の災害対応に資する結果となっている。

提言
今後の災害においてHuMAが行政と共に活動するためには、保健師、保健所長に対する知名度の向上が必要である。そのための取り組みとして、@保健所長が集まる日本公衆衛生学会での発表、ブース出展、A阿蘇市保健センターの保健師と共に他の地域で講演、B平時に自治体、保健所、保健センターと災害時のMOUを締結、などが挙げられる。 災害時に行政と協働する際には、これまでの災害においてHuMAがどんな活動を行ったのか、HuMAにどんなことが出来るのかを簡潔かつ具体的に明示するために事前に資料を作成する必要がある。 阿蘇市保健センターのBCP作成に協力することは重要である。また、その成果物を他の地域の保健師に共有することを通して、様々な地域の保健師との関係を深めることを提案する。
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