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2012東日本大震災被災者医療支援事業速報
〜福島県飯舘村での健康増進活動事業〜
TOHOKU - PACIFIC OCEAN EARTHQUAKE



「全村見守り隊支援」第二期事業:第11次本隊 報告書

健康相談の様子     健康相談の様子
相談に応じるHuMA看護師


いちばん館ロビー     
いちばん館ロビーの様子

派遣地・期間 : 福島県飯舘村・2012年11月17日〜11月18日

活動内容全般について
 いちばん館の旧社会福祉会事務所・休憩スペース奥テーブルにおいて、BHNテレコム支援協議会スタッフの受付のもと11月17日は13:00-16:00まで看護師2名、18日は09:00-11:30まで医師1名・看護師2名で健康相談を行いました。

 11月17日の夜にはHuMA医師、看護師2名、BHNスタッフ1名と、現在までの活動を踏まえると共に2013年1月以降の活動について話し合いました。

医療相談について
 11月17日は相談者13名、18日は相談者12名、合計で25名の方の対応を行いました。

 活動のはじめに、全村見守り隊の方々に対してBHNよりスタッフ紹介が行われ、その際「血圧だけでも測りに来て下さい」とアナウンスをしました。相談者全体の半数は血圧測定を希望され、相談中も周囲を見わたすことができる、休憩スペース奥のテーブルで測定しました。また、継続して相談されている方々に対しては、事務室のプライバシーが保たれた場所で対応しました。

 今回初めて「血圧だけ測りたい」と来られた方もおりましたが、血圧測定を行っている間に打ち解けられて、結果、食生活や運動についてなど健康管理についての相談に発展するケースもありました。継続して相談に来られている方の中には、看護師からのアドバイスを実践した結果、震災後に増えた体重を4kg減少し震災前の体重に戻ることができたと喜んでいる方もいました。

 また、持参の健康診断の結果に基づいて健康相談も行いました。震災前後の検診データを比較することで、震災の影響と考えられる体重増加や血糖値の上昇、血圧の上昇などが見られました。現在も体重が増え血圧が高値のまま放置している方もいましたが、相談者の多くは自己血圧測定を実施し、万歩計を活用するなど努力していました。

 飯舘村への要望を話している方もいました。3回目の相談に来られた50代女性は、現在は会社・農家ともに退職し、眠剤を内服するものの不規則な生活で不眠を訴えていました。震災を機に借り上げ住宅へ転居し、散歩やプールに通ったことがありましたが、継続することが難しくすぐに辞めています。震災前に比べて日常生活の運動量が減ったことで、「体は(調子は)良いけど楽ではない」と話していた。仮設住宅では様々なイベントが催されたり住民同士で運動したりしていますが、借り上げ住宅では居住地域が離れているため、そのような行事がありません。1人ではなかなか仮設住宅の顔見知りの集団の中には入れないため、飯舘村の顔見知りの方たちと一緒にできるような運動を希望していました。

いちばん館の状況について
 いちばん館では全村見守り隊の方々が交代勤務をしており、この日勤務している方が健康相談に来ていました。時間帯によって、3〜4人の相談者が重なることもありました。

 BHNの担当者は全村見守り隊の方々から信頼されているのが目に見えて分かります。担当者の温厚な人柄や、飯舘村と見守り隊の人々のことを親身に考える姿勢、同じ福島県出身であることなどに加えて、今までの継続した支援が見守り隊の方々との信頼関係へ繋がっているのだと思われます。継続して行っている顔の見える関係であり、有意義な活動だと感じました。HuMAに支援してくれているUCCコーヒーも、多くの見守り隊の方々が楽しみにしており毎回好評のようです。

 また、HuMA医師や看護師も見守り隊の方々から受け入れられていました。健康相談に限らず、近況報告などの会話も聞かれ、医師や看護師に会うことを楽しみにしている方もいました。この活動を継続していることで、その地域に馴染んだ健康支援が行われています。

飯舘村での活動で気付いたこと
 1. 支援全体について
 HuMAの活動だけでなく、様々な支援者が入りアプローチの方法が異なるため相談者が混乱していたことがありました。支援者側の説明の仕方の違いで、個人によって受け取り方が様々であり、相談者の方々がきちんと理解できるような言葉かけや、統一した対応が重要なのだと感じました。

 2. 現状の把握とニーズの変化
 BHNのアンケート(問診票)の結果と現在の状況は少し異なってきています。全村見守り隊380名のうち、アンケートに回答された方は概ね160名です。アンケートは2012年5〜6月の万歩計の配付に併せて実施したものであり、健康状態や精神状態も時間の経過とともに変化していました。
 例えば、活動の始めに目立っていた不眠の訴えも減少しつつあります。不眠の症状が減少しているのか、または現在不眠の方が相談に来ていないのかは分かりませんが、体重についても著しい増加はなく、放射能の問題や先の見えない不安への発言は聞かれませんでした。大きく変化した悲嘆の時期から時間が経過し、現在の生活を受容しつつあるように感じました。現在の状況で不安やストレスが無くなるとは考えにくいですが、表出する言動は変化してきています。

 3. 継続的な働きかけ
 見守り隊の方々がセルフケアを継続できることが現在の目標と考えます。相談者の多くは自己血圧測定を実施し、万歩計を活用するなど努力しており、セルフケアができる人もいます。自己血圧測定や万歩計は一つの方法ですが、より多くの方々が健康の維持・増進を行い、疾病の予防ができることが重要です。
飯館村では現在でも帰村や移転の目処が立っておらず生活再建の予測ができない状況にあり、復興へは長い道のりだと予測されます。避難生活が長期にわたるために疲労も出てきているのではないかと考えます。生活が大きく変化してしまった今でも、ストレスや不安が無くなることは難しいと思いますが、健康を維持できるよう継続して働きかけることが大切です。全村見守り隊の方々、行政、BHN、HuMAが連携をしながら、今回の有意義な活動を今後も継続することが必要だと思われます。

 4. 2013年1月からの活動について
 2012年10月27日に飯舘村関係者およびBHN関係者との懇親会が開催され、来年4月以降は村が予算を計上し健康相談を実施する意向であることが判明しました。今回この事を踏まえてBHN担当者と来年の活動についての話し合いを行いました。
 BHNとしては、1月から3月までJPF以外の資金源あるいは自己資金で現在の活動を継続する方針であることが合意されているとの事でした。HuMAとしては、BHNの活動に協力し活動を継続する方向性で内部で調整を進める旨を伝えました。

今後の改善点
 今回確認し忘れましたが、インフルエンザワクチンの接種はどのようになっていたのか気になります。ホールの壁に昨冬の日付で、インフルエンザに罹患した場合の対応手順などが掲示してありましたが、改めて今年の案内はしているのでしょうか。またノロウィルス感染についても同様に注意喚起をする必要があるのではないかと感じました。マスクで予防している人がいる一方、咳やくしゃみなどをしている人もいたので、次回12月8〜9日の派遣ではこの部分もフォローする必要があります。

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